■ 何を目的にして跳んでるの?
今回は「トレーニングのこと」。
「骨を強化する一般的な運動」
新聞の日曜版に、こんな形でなわとびがあげられていました。(中日新聞 2024.4.7 大図解「骨を強くする」)
他に載っていたのが、エアロビクス、ジャンプ、階段(くだり)、ジョギング。
なわとび含めて、共通しているのは何かわかりますか? 「かかとへの衝撃」です。かかとへの衝撃があることが重要、とコメントがありました。
―― それっていいのか……?
かかとで「着地を受けない」ほうがいいと思っている身としては、腑に落ちないものがありました。どっすん着地になるし、続けて跳ぶにも跳びづらいと思うのです。
ちょうどこのまえこんな話を書いたこともあって、かかと着地が効果的であるかのような紹介は疑問でした。子どもなら最初は仕方ないにしても、かかと着地が目的となるとどうも……。
ただ、まさにその「目的」こそが重要でもあるのです。
「骨に刺激を与える」
なわとびを始めとする運動例は、「骨トレーニング」と中見出しのついたところに載っていました。骨に刺激を与えることが、骨を形成するための指令につながって、骨密度を高められるらしい。
つまり、かかと着地はそのための手段であり、やはり目的でもあるのです。
かかと着地じゃうまく跳べないと僕は考えましたが、そもそもそこが目的ではないのですね。あくまで「骨を強くするためのトレーニング」としてのなわとびなのです。
おもしろいのは、なわとびだと普通はかかとをつくとダメージが大きいのが、骨トレーニングだとかかとこそ全身に刺激が伝わりやすいところ。もちろん、ぎりぎり跳べる技の着地のような大きな衝撃を与える必要はありませんが、適度なかかと着地にはそんな効果もあるんですね。
変に意識しなくても、跳んでいればかかとは自然と地面につきます。ランニングもそう。これくらいなら、骨にとってはいい刺激なのでしょう。(ただし、骨の弱い人は、トレーニングよりもお医者さんを勧められていました)
それにしても、目的か……。
自由に跳んでみたいと思って単縄を始めたので、そこが目的と言えば目的でした。でも、それより前にもう1つ目的があったんですよね。
運動することです。
子どものころからほとんどスポーツに縁がなくて、ふと知った単縄を見て、なわとびというより「運動」してみようかなと思ったのです。やってみると欲が出て、大半はどれだけ多回旋の技を跳べるかの練習になってました。体のゆがみには苦しむし、何度も腰を痛めるし、これってちゃんと運動になってるのかな、と今回の話を書きながら感じました。
もちろん、技が成功すればうれしいし、演技風に技をつなげるのも楽しい。ただ、最近書いていたステップみたいに、ムリなく運動として跳ぶのも、年齢を重ねた自分にとっては必要な「目的」なのかな、と思いつつあります。