とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

024 箱庭のパフォーマー

今回は「パフォーマンスのこと」。

前回の記事を粕尾将一さんがブログで取り上げてくださった。

あなたは「パフォーマンス」を誰に評価されたいですか? - なわとび1本で何でもできるのだ
(2019/4/5:現在、該当ページがないようなのでリンクはしてません)

競技経験者としての視点、日本なわとびの持っているパフォーマンス性など、僕が知らなかった側面からの話が加わり、本当にいい盛り上がりになったと思う。何より、冒頭で「縄跳び界」の広がりを喜んでくださっていて、このブログの、ある記事を思い出した。

なわとび界にすこしだけでも恩返ししたい、という気持ちがこのブログの始まりにあったが、まっちゃんのなわとびにかける情熱に応えたい、というのもまた、始まりにあったものの一つだ。
004 なわとびすとの夢、フリースタイル(1)

すこしずつ、かなってきたかな。


さて、パフォーマンスを誰に見せたいのかと考えてみたら、すぐに学校の子たちが浮かんだ。
そのうえで思う。
学校の子たちに合わせたパフォーマンスって、なんだ?

「見る側」として考えたとき、うちの小学校の単縄の水準はごく普通だ。なわとびカードで、かえしとびはチャレンジ技でおまけ扱い。回転跳び(180)を見せたら物珍しそうにしている。

まあ、多くの小学校がそうだろう。
なわとび自体はなじみのある運動でも、ちょっと特殊な技になると途端にマイナーになる。
これが普通だし、これが一般的な「見る側」の姿だ。


ネットの動画には、そんな小学生相手にフリースタイルを見せているものがある。
僕は、その演技は十分にパフォーマンスになっていると思う。なぜなら、「見る側」にとっては初めてづくしの時間だからだ。「速すぎてわからない」技があってもいい。未知の世界は、人を引き込む力を持っている(未知があまりに多すぎるのは難だが)。

ただ、構成は、大会用のものを持ち込むと、すごすぎて「見る側」を置いてけぼりにしてしまうかもしれない。序盤で多回旋系で沸かせたら、しばらくはリリースやレッグオーバーなどに切り替える。それも、レベル2くらいで、しかもすこしスピードを抑えめにして、演出的な、技巧的な演技。こんな技があるんだ、と思わせたところで、また多回旋系でちょっとアピールして……。

ん? これ、フリースタイルでよく見るパターンっぽい。レベルはもう1段階高いかもしれないが、多くのフリースタイルで感じる「緩急」とでもいうのか……。使用する曲自体に緩急があり、技を合わせるからだろうか(ルールを読むと、演技点の15%は音楽に関わるようだ)。

だとすると、たとえ競技用に組んだ構成だとしても、すでに見せる演技になっているわけだ。それを、粕尾さんが冒頭の記事で触れているような見せる演技にしていくのは難しい。フリースタイルを作ったうえで、さらに細かい部分の調整になるからだ。

話を戻して、学校の子たちに向けたパフォーマンスを作ろうとすると、さらに「ある層の観客」という条件が入る。う~ん、難しい……。

ここまでにしよう。フリースタイルを見せたこともないのに、求めているものが大きすぎる。でも、目標として忘れないようにしたい。


ところで、実は僕は学校で「なわとびの神」と呼ばれている(笑)。
おそらく、レッグオーバー系の連続技に子どもがどよめいてからだと思う。
見せたのは、クルーガー(右)→EBインバーストード(左)→EBトード(右)→トード(左)。いつしかこれは、「神業」とまで呼ばれている……。

たまにリクエストされて跳んで見せると、今でも驚いてもらえる。
うれしいのだが、これより2~3段階レベルの高い演技があるのを知っているので、なんだか恐れ多い呼ばれ方だ。僕が神なら、全日本で上位の皆さんはどう呼ばれるのか。最近の漫画で、神を超える存在って何かあったっけ?(笑)

ただ、これもまた、パフォーマンスの1つだと思っている。
トップ選手のかたと比べたら大それた肩書きだけれど、ある小学校という、小さな箱庭の中では、そこだけで演じられるパフォーマンスもまた、あるのだろう。

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まだまだ「観客」を見ながら跳ぶ余裕はないのだけれど。
それよりも、「観客」、特に「歓声」を自分で書くって、恥ずかしいことだ……。


さて、最後に。
実は最近の記事を書いているタイミングで、僕は初めて「生のパフォーマンス」を見た。そこで感じたことは、前回と今回の記事に色濃く反映している。

次回はその話。生山ヒジキさんを、見に行きました。