とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

026 ヒジキさんがやってきた(2)

前回に続いて、「生山ヒジキさんを見に行ったこと」。

前回は、生パフォーマンスを見た刺激と、生の雰囲気について書いた。それ以外にも、これは、と思ったことがいくつかあるので後半を。


その1。練習風景。

跳ぶ側としては、開演前などにヒジキさんが何気なく跳んでいる姿が気になった。準備運動なのか、新しいつなぎの練習なのか、そのへんはわからないが、目が離せなくなった。

なにこれ。おもしろい!

本番じゃないのにおもしろいのだ。ラップをしつつ、すり足でターン。オーバースイングしたり、背面キャッチをしたりして、軽くポーズ。あまり見たことがないのも無理はない。動画は、完成された演技や、ちょっとした技単体のものが多いし、何より公開することを意識している。それとない練習風景って、案外少ないのだ。

中でも、余力を残して2重跳びやサイドクロスを跳ぶ姿は、一番練習してみたくなった。ゆっくり回すのはタイミングを計るうえで重要だ。なるほど、こんなやりかたがあったのか……。

こんな動きも見られるなんて! 来てよかった! ……と、開演前からうれしくなったのを覚えている(笑)。僕だけじゃない。他の親子だって、興味津々で見ていた。演技はそれなりに構成が決まっていて、いわば「定番」。もちろんメインを張るだけの内容なのだが、隠れた醍醐味は、こういう練習風景にもあった。


その2。教え方。

パフォーマンスのあと、ヒジキさんによるなわとび教室があった。

教え方には、定番がある。

通して見ていて、はっきりそう思った。特に2重跳び。いわゆるスモールステップ法の流れを組んだ教え方だった。

初めて見るまでは、「ヒジキ流必勝法!」なんてひそかに想像していたのだが、実際は基本に忠実だった。やっぱり、長年伝え継がれてきたものは、定番となるだけの成果を持っている。これ以上の教え方が考え出されたとしたら、きっとそれだけで名を残せるだろう。

とはいえ、ヒジキさんも教科書通りのかたではない。おそらくオリジナルの準備運動は、「縄に慣れる」のにいい運動だなあと思った。結構跳べる子も交じっていたけど、勘のいい子はあの準備運動だけで何かつかんでいたんじゃないかなあ……。

印象的だったのはこの姿。

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とにかく褒めていた。もちろん、「ここをこうしたほうがいい」とも言っていたけれど、すこしでもその子にとって「前進」になるような声かけは、見ているこちらがうれしくなった。僕も、子どもには前へ進める教え方をしていきたい。


その3。東海地方。

というより特に愛知。ヒジキさんの今回の肩書は「日本なわとびプロジェクト」(JJRP)のパフォーマーだった。このNPO団体は、愛知を基盤にしているそうだ。ヒジキさんと直接お話しさせていただいたとき、JJRPの話になった。

聞けば、この地方の活性化も考えてのことだそうだ。

僕は愛知在住なのだが、なわとびが盛んなのは関東というイメージがあった。実際、柏なわとびクラブや、全日本選手権の開催地は関東。その他活動のある地域は点々とあるが、この地方にはあまりない。僕自身もそれを実感していた。

でも、こうしたイベントを中心に、動き出したものがあったのだ。

なわとび好きの地元民として、幸せな発見だった。いつかお手伝いができるように、跳び続けていよう。


練習風景の件もそうだけど、僕は誰かとなわとびをしたことがない。学校で子どもとは毎日に近いほど跳んでいるし、そこから得ることもたくさんある。でも、見本は動画、上達は自分の試行錯誤だけで2年以上跳んできた。

そういう意味でも、今回「縄を知る人」の姿や言葉は、1つ1つが大きな刺激だった。
学校の子どもに、そして自分にも、得たものを返し始めている今日このごろ。

なわとび好きはまだまだ幸せに跳んでます。