とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

044 夢のなわとびクラブ

■ なわとびクラブを作れなかったこと

今回は「クラブのこと」。

今の小学校に転勤してから、1つ夢があった。
それは、なわとびクラブを作ることだ。

でも、去年はいろいろ理由があって、夢はかなわなかった。


クラブというのは、授業で言うと「特別活動」にあたる。

特活と略すとわかる人もいるだろう。時間割では、そのまま「クラブ」と言っていると思う。僕が子どものころは中学校まであったけれど、今は基本的に初等教育(つまり小学校)のみのようだ。

れっきとした授業なので、教員免許のない事務職員の僕は、単独で教えられるわけではない。そもそも、事務職員が協力者として授業に入るなんて、そんなにあることではない。

この学校の時間数はとても少なかった。別の小学校にいたときは、2~3週間に1時間としても、1学期からクラブがあったと思うが、今の学校は、10月あたりから全7回のみだ。もともとクラブは時間数が少なく、文科省の調査資料でも、全国の半分は年間で14時間未満らしい。うちはその枠の中で、年間7回だった。

たった7回。校長にも「ほんの数時間しかないけどいいの?」と言われた。でも、されど7回だ。半分わがままだとわかっていた。校長は気持ちがあるならやってみなさいと許可してくれたが、先生たちの反応は、意外、といった感じだった。

それでもやりたかった。自分の持っているものを、子どもに伝えたかった。


が……。

最初に書いたとおり、それはかなわかった。雨の日にどうするかで、とりまとめの先生が困ったのだ。僕はもともと体育館でやりたかったのだが、体育館は例年バドミントンクラブが使っている。じゃあ屋外でも、と思ったら、運動場はスポーツクラブがいる。別に晴れていればいいが、雨が降ったら? 体育館は良くて半面ずつ。3つのクラブは入れない。

クラブ担当の先生は、優しかった。バドミントン&なわとびで1つのクラブにしようと言ってくれたのだ。どのクラブも先生は2人つく。バドミントンのできる先生が1人つき、もう1人は僕、というアイデア。「半分だけになるんですけどいいですか?」と持ちかけられて、最初はそれでも喜んでOKした。

でも、その日の夜に、これじゃだめだと思い、翌日取り消した。

強引な結果だと思ったから。

先生たちは天候に敏感で、授業で屋外が使えないときの代案を常に考えている。僕は、そんなことも気づかずにやりたい気持ちだけで話を進めた。

結果は中途半端なクラブ。一緒にされたバドミントンは、普段の授業じゃほぼやらない時間。一方、なわとびは冬の授業でもできる。これでは、バドミントンの機会を子どもから奪うようなものじゃないか……。もうできない、と思った。


こうしてなわとびクラブはなかったことになった。

あれから1年。またクラブ活動の提案の時期が来ようとしている。雨の日の代案は、他のクラブに影響しない範囲で1つ2つ考えた。ただ、「20人で体育館の軒下ならできるか」とか、「映像で見本を見てみよう」とか、認めてもらえるかどうかあやしい案だ。

夢で終わるか終わらないか。
もう一度だけ、手をあげてみようと思う。

イラスト:クラブの時間。運動場で、児童にクロスフリーズを教えているところ。こんな光景を夢見ていました。

授業でクロスフリーズを教えてみたい