とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

045 ジャンプを押さえていませんか?

今回は「ジャンプ力のこと」。

最近のなわとび界の話題と言えば、森口明利さんが6重跳び2回と、5重跳び21回に成功したこと。Twitterやブログでみんなが拍手している。特に6重跳びは、これまで成功した人はいなかったそうだ。多回旋の限界に挑むもりぞーさん。けがだけは気をつけて、またガッツポーズを見せてください。


さて、上級者の跳躍を見ていると、その高さに驚く。

あれだけ高く跳べれば、多回旋系の技も鮮やかにできるよなあと、うらやましく見ている。滞空時間はコンマ何秒でも長いほうがいい。空中での余裕ができるからだ。自分で跳んでいると、この「余裕」がほしいと思うことが多い。

というわけで、どうすれば「空中の余裕」を作れるのかを考えてみた。
ここを直せば良くなりそう、くらいの話だけど、一部のかたの参考になれば。


自分の悪い例と、上級者の動画を見比べて、はっきりと違う部分があった。

「前屈みになっているかいないか」だ。

上級者は、高く跳んでいても、わりと背筋が伸びている。腰から上はまっすぐで、膝を適度に曲げて、縄の通る空間を作っている感じ。以前教えていただいた「目線固定」もしやすいフォームで、バランスという点でも理にかなっている。

「基本のき」なのかもしれないが、技を追うようになると、ここを忘れてしまう。きれいに跳ぶことではなく、縄を通すこと、とにかく技を成功させることに執着してしまう。

それがはっきり表れているのが、自分のフリースタイルの動画(※公開はしてません)。2重跳び系はともかく、それ以上の技でかなり前屈みになっている。

ジャンプ力という点で、これは明らかに失敗だと思う。本来求めている「下から上の力」を、屈むことによる「上から下の力」でつぶしてしまっているからだ。

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力学的に正しいのかわからないが、ジャンプが高くならない理由としてイメージしてもらえるだろうか? せっかくジャンプしているのに、屈むことで、自分で自分のジャンプを押さえつけているように見えるのである。

よく2重跳びで、くの字(膝を伸ばしたフォーム)や、膝を抱え込んでいるようなフォームで跳ぶ子がいる。必ずいる。子どものころ、僕もそうだった。これも、屈む力でジャンプを押さえてしまっている一例だろう。


また、高く跳ぶなら、ちゃんと自分なりの頂点まで跳びきったところで技を出したい。

なわとびは、跳躍に加えて手での動作が入る。基本的に跳躍一本に集中できない。しかも、手の動きは跳躍を補助するものではない。粕尾さんが前跳びの解説で書かれていたが、

人間はジャンプをする時に、無意識に腕を振り上げて勢いをつける。
垂直跳びや幅跳びを思い出していただければ、納得していただけると思う。

だが縄跳びだけは違う。
ジャンプをするとき、縄を回すために腕を振り下ろすのだ。

縄跳びがとべない子供に贈る、前とびが跳べるようになる6つのステップ - なわとび1本で何でもできるのだ

このように、なわとびの手の動きは、「自然法則に反した運動」なのである。それをしながら、どうやって、できる限り高く跳べるようにするか。イメージだけなら、頂点までジャンプして、そこからシュバッと技を繰り出せばいいのだが、そんなマンガみたいにはいかない(笑)。

とりあえずは前屈みの解消。前を見て、背筋を伸ばすようなイメージで跳んでみたら、きれいに技が決まった気がした。別にこれまでできなかった技ができたわけじゃないので、なんとなくだけど……。


前に屈んでいることに気づいていなかった僕が言うのも変だが、自分でジャンプを押さえている部分がないか、見直してみませんか?