■ 後ろ回しまで練習したから評価される
今回は「後ろ回しのこと」。
後ろ回しの技をきれいに決める人は一目置かれる。
ある野球漫画を読んでいて、思ったことだ。
バント練習は通常 あと回しにされがちだ
すなわち
バントをきっちりやれるチームは あなどれねェ――ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』 第110回「埼玉県大会11」(講談社)
相手チームの監督のモノローグである。機転を利かせた送りバントのあと、こんなふうに主人公チームは評価される。敵将の、主人公たちを認める気持ちと、だから油断などできないと構える姿にぞくぞくする。
ここにあるのは、積み重ねてきたもののインパクトだ。
野球ではなく、なわとびならどうか。
ここで後ろ回しが浮かんだのは、せりふの中に似た言葉(あと回し)があったせいかもしれない。でも、やはり、「後ろより前が練習される」からだと思う。
よほど特別な事情がない限り、なわとびの基本は前回しだ。前跳びができてから後ろ跳び、というのが普通の順番だろう。なわとびカードで前系の技のほうが難易度が低いのも、「前ができて後ろに挑戦する」という流れを前提に作っているからだと思う。
つまり、同じ技を後ろ回しでもできる人は、より評価される。
理由は例のバントと同じ。後ろ回しでもきっちり練習を積み重ねてきた姿が想像できて、一歩上のインパクトを与えられるのだ。
実際、後ろ回しは2つの点で前回しより難易度が高いと思う。
1つは縄が見えない点。視線を落とせば縄の通る足先が見える前回しと違って、背中からかかとの下を通る後ろ回しは、半分勘に頼って跳ぶタイミングを得ている。僕はまだできないけど、後ろTSあたりは、本当にこの「見えなさ」を思い知らされる。
もう1つは手首の使い方。単に前回しの逆の動きでしょ、と言うのは簡単。でも、人の体はなんでも逆に動くわけではない(関節が逆になったら骨折だ)。たぶん、後ろ回ししたら、たいていの人は「縄が広がる」のではないだろうか。前回しと同じ形で縄を回せない。
後ろには後ろの跳び方が必要とされるのだと思う。
今回もあまり技のヒントになることがなくて、期待して読み進めたかたには申し訳ないです。練習で後ろ回しを増やしたばかりなので、いずれ、何かをつかんだら書いてみたいと思います。
積み重ねを想像してもらうには、当然、積み重ねていかないと。
競技ルールでも、後ろ回し系3連続で得点があったり、技として前と後ろは区別されたりと、後ろ回しはそれなりの評価があるようだ。ほとんどの技は前回しと後ろ回しの技レベルが同じだが、ちょっとだけ後ろ回しにアドバンテージがあるということかな?
今のところ、前2重と後ろ2重さえ同レベルとは思えないのだが(笑)、練習を重ねていけば、同じように跳べるようになるんだろうか……。
なわとびを始めて2年半くらい。ようやく、後ろ回しに注目し始めたとびまるでした。