今回は「ヒーローフィニッシュのこと」。
前回のアームラップに続いて、応用技の登場です。
アームラップをしながら、反対側の足を後ろから引っかけて止める、という動きになります。今の一文を読みながら、縄と体の動きが想像できましたか? できてもできなくても、続きを読んで、イメージを固めてみましょう。
まずはポーズだけやってみましょう。
動画のように、右腕で回す場合です。左足を、右足の後ろに持ってきます。このとき、左足を曲げますが、「足の裏を上にする」ように意識すると、ポーズをとりやすいと思います。動きだけではうまくマネできない子も、こうやって言葉でも説明すると、できる子が増えてきます。
基本的に、アームラップに「足を出す」のが増えただけ。複雑に感じている人も、そこを押さえておけば大丈夫です。
さて、今度はそのポーズでアームラップをしてみましょう。
アームラップの動きはそのままでいいです。足(左足)を見ながら、回る縄も確認できると思います。回ってきた縄が左足に当たる高さがわかったでしょうか。
たぶん、縄が1~3回転するまでが、足に引っかけられるタイミングだと思います。それ以上回すと、巻きつきすぎて縄の長さが足りず、足の上を通過してしまいます。
縄が1~3回転の間でも足に引っかからないときは、足に縄が届いていません。こうなる原因は、縄の回る位置が高い(腕が高すぎる、足が低すぎる)か、縄の回る位置まで足が出ていない(左足が右腕の下に出ていない)かのどちらかです。
タイミングが合わないときは、失敗している瞬間をとらえれば、きっとこういう原因があります。そこを直せば、今度はタイミングが合います。
ここで足に縄が“パシッ”と引っかかれば、まずはゴールです。一見複雑に見えていたあの決めポーズがあなたのものに!(笑)
ただ、本当の「決め」は、ここからです。
さっきは、左足を構えてから、アームラップの縄を待ちましたが、今度は動画のように、アームラップを始めてから足を引っかけて決めましょう。
これはタイミングです。僕は3回転目で決めるのに慣れましたが、だいたい、“ひゅんひゅんっ”と2重跳びのように縄の回る音がしたところで、ワンテンポ置いて足を出しています。このワンテンポというのは、縄が2回回って、もう1回転するときの短い時間です。そこにタイミングを合わせて、回ってくる縄に足を引っかけます。
決め手としては、わざと大げさなポーズをすること。
見本の動画で言えば、ヒジキさんは体を(自分から見て)左に傾けています。こうすることで、引っかける左足を上げやすくなり、回ってくる縄に近づくわけです。このとき、右腕だけは傾けずに水平のほうが、より足と縄が近くなります。
ヒーローといえばハデなポーズですが、この技では、ハデなほうが成功しやすいんです。見た目もきれいに決まるし、さすがはヒーロー! ですね(笑)。
これ、アームラップと合わせて、なわとびクラブでぜひやりたいんですよね。
クラブの子が覚えれば、他の子もマネしたくなる「演技力」のある技だと思うんです。覚えた子が教えて広がるのもあり。放課に自分で教えて広げるのもあり。
たくさんの子がヒーローになって、家族の前や、将来大人になったときに、なわとびでちょっとだけ人と違うことができる楽しさで笑顔になってほしいです。