今回は「なわとび台のこと」。
夏休みが明けて、朝晩に涼しさを感じた最近、またなわとびシーズンが近づいてきたことに気づきました。2か月以上先ですけど(笑)。
なわとびシーズンといえば、うちの小学校では、校庭の隅(でも職員室の真ん前)になわとび台が並びます。そんな光景を思い返していたら、ふと、順番待ちをしている子どもの姿が浮かびました。
そういえば、あのころ、こんなことを思ったのでした。
なわとび台でなくたって、楽しい技はたくさんあるのに……。
いろんな技を教えて、覚えてもらいたい。
当時も今も、その気持ちは変わりません。
ただ、子どもにとって、2重跳びやはやぶさは、思いきって力を出せる気持ちのいい技です。なわとび台で跳んだ日には、もっと高く跳べて、もっと思いきった技にも挑戦できる。
何より、基本、「学校でしか体験できない」ものなんですよね、なわとび台って。
その魅力にとりつかれた子たちを見ていたら、なかなか他の技をオススメすることはできませんでした。
いろんな技があるのは、僕が跳んでいるのを見てわかったと思いますけど、自己ベスト回数を狙ってる子どもたちにとっては、やっぱり、バンバン跳べるなわとび台を前にしたら新技どころじゃないんですよね……。
それに、新しく技を覚えるのって、子どもにとってはメンドくさいのかもしれません(笑)。今できる技を伸ばすほうが失敗も少ないわけで、楽なほうに流れちゃうんですよね、きっと。
ただ、なわとび台も全員が使えるほど多くはないわけで……。
順番待ちの光景を覚えているのは、なわとび台の数が限られていたからです。見ていた限り、どの子も1回ひっかかったら素直に交替していたので、わりといいペースで順番は回っていました。
でも。それでもです。
あぶれている子がいるなら、なわとび台なしで跳んだっていいじゃないですか。なわとびって、ジャンプ力がないと跳べない技ばかりじゃないよ? フィニッシュ系なんて、そんなにジャンプ力なくてもいけるよ?
……と言いたいのをこらえて、結局は、そばで回数を数えていたり、ちょっとアドバイスしたり、自分だけ地面で2重跳び勝負を挑まれたりしていた去年……。
今年はどうでしょうね。
夏のイベントですこしだけ「なわとびの人」として顔も売れたし、順調にいけばなわとびクラブでも技を教えられるし、去年に比べれば、子どもに技が広がる可能性は出てきました。
それでも、学校では、なわとび台には勝てないかなー、と思います。
僕にできそうなのは、それ以外の場所で、たとえば帰ってから家の前とかで、試してみたくなりそうな技を教えること。
なわとび台だけだと、飽きてくることもあるでしょう。そんな、他に気が向いたところで、ちょっとだけなわとびの違った一面を体験してほしいと思っています。
こんな光景が生まれたら、すてきですね。
なわとび台で記録に挑む子と、隣の地面で技を楽しむ子の共存。
こんなふうになわとびが広がって、子どもが縄1本でその場に合った運動ができるなら、学校での本来の目的(冬場の運動量の確保)もしっかりできていることになります。楽しくて、自分からやりたい!と思えるような魅力を持ってもらえれば、なおさらいい話です。
なわとび台と同じくらい、いろんな技に魅力を持ってもらえたらいいなと、ちょっと先のシーズンを思う秋の始まりでした。