今回は「練習の基準のこと」。
卒業式、修了式を終え、学校の1年はほぼ終わりました。
もちろん、シーズン後も一部の子が跳んでいたなわとびも終わり。この1年、どれだけのことを教えられたのでしょうか。
僕にとっての基本は、「縄の音だけジャンプできるか」です。
これを言い出したのは、まだ最近です。091 滞空時間=縄の音という記事を書いたあたりから、自分も子どもも、縄の音を基準に腕前を見るようになりました。
難しいことを言っているわけじゃなくて、2重跳びなら、「2回縄が回るあいだ跳べるか?」という、当たり前の部分を見ています。
特に、音のイメージが大切です。ヒュヒュン、という音がするあいだ、ジャンプして空中にいられるか? 足の下で縄がちゃんと通過するだけのジャンプができるか? そもそも、自分の思っているヒュヒュンという音を出せるように縄を回せるか? まず、ここを確かめると、次に何をしたらいいのかわかりやすくなります。
つまり、縄の音は、練習の最初の基準だと思うのです。
理想の音で回せるか? その音のぶん跳べているか?
跳べるならタイミング、跳べないなら回し方に焦点をしぼれます。
強引でも、とにかく1回跳べるなら、あとはその技術を連続で維持できるかです。
・前跳びをはさんで繰り返せるか?
・すこし「間」を作って、タイミングを合わせられるか?
・ちゃんと「ジャンプしてから」縄を回せているか?
いくつか思いついたポイントを書きました。どれも、過去の記事で書いたことです。
・100 1、2の3重あや
・039 改めて考える「3重跳びのコツ」
・070 手が先か、足が先か(1)
逆に、跳べないときは、それ以前の問題として、回す技術が不十分ということです。2重跳びなら、音のイメージとして思い浮かべたヒュヒュンという音を作り出せなければ、まず回し方の練習が必要になりますよね。
回し方の記事はあまり書いてません。
・086 縄を回すための「見えない重り」
・071 手が先か、足が先か(2)
理想の音を基準にすると、次のポイントが見えてきます。
実際跳んでみれば、跳べない理由は、ある程度、体でわかります。ただ、「縄の音のイメージ」「音に合わせたジャンプ」という視点で上の図のように考えれば、すっきりと問題を切り分けられるでしょう。
ちなみに、さらに伸びている矢印はなんなのか?
跳ぶためにはうまく縄をコントロールする必要があります。足に気をつけたら、今度は手(回し方)も再調節してみよう、というのが、矢印A。回し方が良くなってきたら、今度は足(ジャンプ)に気をつけてみよう、というのが矢印Bです。
なわとびの練習は、手の動きと足の動きを行ったり来たりするのです。
イメージの中で鳴る音に近づけるように、手の動き・足の動きをバランスよく身につけていけるといいですね。