とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

116 顔に当たる恐怖をどう避けるか

■ 恐怖を避けることは、ミスを防ぐこと

今回は「後ろ回しのこと」。

後ろ3重跳びをずっと挑戦しています。

2~3回が限度です。多くの技と同じで、これも感覚的な部分 ―― 特に、グリップと縄が一体化したような勢いを作り出せると、一番回しやすく、成功しやすいです。

でも、なかなか狙って勢いを出せません。3回旋目が弱まります。回し方をいろいろ試すうちに、後ろ2重が続かない子と同じ感じがしてきました。このへんをまとめておくと、後ろ2重を教えやすくなるかな、と思ったので、すこし書いてみます。


「顔に当たる恐怖」の影響は大きいと思います。

最初はそんなことが起こるとは思わずに跳ぶんですよね。で、初めて縄で顔を打って、痛みといっしょに、勢いのある後ろ回しの怖さを知るという……。

なぜ顔に当たるんでしょうか?

顔に当たる理由として、「手が低い」「手が広がっている」「手が後ろ」の3つがあると思います。

1.手が低ければ、縄の軌道(特に頂点)も低くなって、顔に当たりやすくなる。
2.手が広がっていれば、やはり縄の軌道が低くなって、顔に当たりやすくなる。
3.手が後ろだと、縄の頂点が頭よりも後ろ寄りで、頂点に行く途中で顔に当たりやすくなる。

イラスト:理想の軌道からズレた縄が当たりそうになっている図3つ。 1.手が低い=軌道が低くなり頭に当たりそう。 2.手が広がっている=軌道が横に伸びて頭や足に当たりそう。 3.手が後ろ=軌道が後ろになり顔に当たりそう。

後ろ回しの怖さのもと

この3パターンが多い気がします。

後ろ2重に慣れていないと、勢いをつけようとして、上のような状態になりがちです。僕も、後ろ2重ではほとんど顔に当たらなくなりましたが、後ろ3重で再び危ない状態が続きました。回すのに必死で、手の位置が崩れたのです。


では、このへんを修正していくと、どんなフォームになるのか?

単純に考えると、腰の横くらいで、ほとんど基本のフォームです。

でも、顔に当たる恐怖があって、手を高くしたり、意識して前に出したりしてしまうんですよね。「縄を顔から離す回し方」です。後ろ2重を跳べてきた子にも多いフォームです。顔に当てた経験から、顔に当たらない工夫をした結果なのでしょう。

苦しいフォームなものの、最初はそれがいいと思います。

恐怖を克服するには、立ち向かうやりかたもあれば、恐怖自体を遠ざけるやりかたもあります。でも、後ろ2重の場合、立ち向かうのは、顔に当てて痛みに慣れるようなものです。さすがに無茶です(笑)。縄から逃げながら、後ろ回しのフォームを改善したほうが気持ちも楽でしょう。

そして、顔に当てずに済む回し方にたどり着くわけですが……。

それでもまだ安定しないのが後ろ回しの難しいところで、そもそも人の体は前には動かしやすいですが、後ろには動かしづらくできています。腕も同じです。さらに、回ってくる縄が見えません。

前の6重跳びをできる人は何人かいても、後ろ6重跳びをできる人を聞いたことがないのも、前回しと後ろ回しの難易度の違いを示しているでしょう。


理想のフォームは、やっぱり基本のフォームでしょうか。

手は腰の横くらいで、すこし前に出す感じ。

ちょうど最近、横から撮影した後ろ4重系の動画を見ましたが、そのフォームできれいに跳んでいました。当然、顔から離れた位置で縄の軌道が描かれていて、お手本にしたいフォームでした。

後ろとびを安定したフォームで跳べているか。縄の張った回し方ができるか。さらにいつでも20回、30回と跳べるか。

顔に当たるのは、結局、1レベル上に挑戦するためにバランスを崩すような力の入れ方をしているからで、基本のフォームを中心にすることを忘れてはいけませんね。