とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

138 前向きに後ろ向き

■ 後ろ回しっておもしろい

今回は「後ろ回しのこと」。

前回、今年のアジア選手権1位(たぶん)のフリースタイルに触れたところ、縄跳びパフォーマーの粕尾将一さんも、同じ動画についてブログで語られていました。

縄跳び競技で次に来るのは後方系。人が「やりたがらない」に気付けるかが勝負。 - なわとび1本で何でもできるのだ

前回のイラストは後ろSCCCのシーンを見て描きましたが、プロの目から見ても、あそこは目を引く場面だったようですね。実は、あの場面、あまりにスムーズに跳んでいるので、最初はSCCくらいに思ってました(笑)。でも、勢いが半端じゃなくて、違う、これ4重まで行ってる! と驚いたという……。

後ろ回しは、前回しに比べると、少なくとも1段階は難易度がアップする気がします。それをスムーズにこなしているので、あのシーンが目についたのかもしれませんね。


後ろ回しを演技に入れる動機は、いろいろあると思います。

僕も今の演技は結構後方系(背面含めて)が入ってます。おおざっぱに数えてみたら、 前:後ろ = 33:25 でした。43%くらい後ろ回しの関わった技をやっていることになります。意外と多いですね……。

今回の演技になるまで、後ろの背面系をすこしずつ覚えていたので入れた、というのが増えた理由の1つ。あとは、もともとリリースからつなげると後ろに回しがちになるクセがあるとか、後ろSCは子どものころから妙に跳びやすかったとか、体のクセから来ている部分も多いです。

046 後ろ回しのインパクト 以来、後ろ回しを意識している部分はあって、最初に後ろEBを左右で跳んでいるのもそうですね。かえし跳びの後ろ回しで、さらに縄が通っているというのが、小学生にとって「なんか上手」に見えるぎりぎりの線かなと思って、1回で終わらないように、わざと繰り返しで入れています。

競技だと、今のところは、3連続で入れると得点になるルールがあったり、後ろ回しの背面系は1レベル上で採点されたりするので、後ろ回しを入れなきゃ話にならない、みたいな切実な理由もあるのかもしれません。


繰り返しますけど、後ろ回しって難易度が1個上の印象なんですよ。

後ろ3重跳び、なかなか跳べません。最高で5回ですが、平均だと、1回前後です。とにかく、これ!という回転をつかめません。練習数だと、意識しない限り前回しの比率が多くなって、常に後ろ回しは技術的に後を追う感じになります。そもそも、回し方だけでも、前回しの「振り下ろす」感じとは別物ですしね……。

イラスト:後ろ回しを頭上まで回しはじめるところ。地面には縄が上がったときの煙が大げさに描かれている。右に「一気に引き上げる!」と大きな文字。その下に、「後ろ回しは初速が大事 … こんなイメージでしょうか?」とコメント。

後ろ回しでも縄の形を作ること

引き上げるというより振り上げる!ですかね。文字入れを間違えたような(笑)。

後ろ回しって、この「初速」で決まってくるんでしょうか。特に、後ろのレッグオーバーや背面系で多回旋をやろうとすると、ここでスピードがないと、交差に入るまでに時間が足りない(交差を回しきれない)気がします。

少なくとも僕にとっては難易度+1ですね(笑)。

競技ルールも、「後方回旋で4回旋以上の場合1レベル上がる」になったら、できる人はどんどん入れてくるんでしょうか。目指す人も出てくるのかもしれませんね。ルールが技術の幅を広める、とでも言うんでしょうか。

演技を考えるとき、フリースタイルのルールのポイントを押さえると、それだけでそれなりの演技になると思っています。特に、構成をきちんと反映させると、バラエティ豊かになります。

僕自身は、競技ルールと離れた演技をしているものの、ルールが人を育てている面もあるのかなと思います。後ろ回しのルール上の多少のアドバンテージで、多くの人が後ろ回しの技術を磨いてきたのかもしれません。

そこで終わりにならないように、後ろ回しを使っていきたいですね。