■ 縄は冬に切れるもの
今回は「切れる縄のこと」。
1月の半ばを過ぎたあたりから、ようやく冷え込みが始まりました。
そんなとき、体育の授業に顔を出してきた教頭先生が言ったこと。
「なんで今日はこんなに縄が切れる子が出るんだ? もう続出(笑)」
寒い日は切れやすいんですよ、と僕が隣で言うと、教頭先生が「そうなの?」、他にいた先生も「そうなの?」 …… 意外と反応が大きかったので、こっちが驚きました。
でも、よく考えると、そういう反応が返ってきても、不思議じゃないのです。
だって、多くの人は寒い冬しかなわとびしないから。
他に比較する季節がないんですよ。冬は寒くて当然で、寒いから切れたとはあまり思いません。僕も、一年中なわとびしているものの、「寒いと縄が切れやすい」とだれかが書いているのを見るまでは、気づいてませんでした。
寒いと縄が固くなるせいでしょうね。スパゲッティとかそうめんを想像するとわかりやすいと思います。ゆでたメンは柔らかくて伸びますが、ゆでる前の乾燥したメンや、ゆでたあとで凍らせたメンは、固くて簡単に折れます。寒さや乾燥の違いはあるものの、固いものは切れやすいのです。
5度くらいが、切れやすくなる気温と聞きます。(10度くらいでも十分切れる気がしますが……)
冷えて固くなった縄は、回したときの張力に負けやすくなるのでしょう。それを防ぐために、お湯や温風機を活用している人もいるみたいです。
寒い日に縄が切れるのは、こういう理屈なんでしょうね。
ただ、そもそもの「寒いから」という条件には、いろんな季節になわとびをして、環境の変化が当たり前になってないと気づきません。先生たちの「そうなの?」という反応がまさにそうです。
こんなとき気づくのが「関心の違い」です。
冒頭の学校の話くらいなら、小ネタとして聞いてもらえたと思いますけど、相手の興味や関心を無視した押しつけになる場合もありますよね。
「まわりはこれくらいが普通なのか」と知るのも、大切な気づきだと思います。
切れた縄から、ふと思ったことでした。
寒い時期になわとびは向いているのでしょうか。
・冬場の運動量を確保するため
・持久力の必要になる運動は暑い時期は苦しい
学校で言えば、寒い時期にやる理由はたしかにあります。マラソン(持久走)も、運動としては似た位置にありますね。
ただ、道具としての縄にとっては、理想的な環境とは真逆のシーズンです。
僕はこの2~3年で縄を4本新しくしました。韓国ロープは芯が繊維でつながっているおかげで切れたら終わりじゃないものの、この冬に入って5~6回切れてます。だからといって、冬は跳ばないというわけにはいかないんですけどね……。
学校で子どもと一緒に跳んでいると、子どももまた、「切れたー」「直してくださ~い」と切れた縄を手にやってきて、なわとび修理士になることもしばしば。
中で折り返して留(と)めるタイプは、意外と苦戦します。
この季節、縄は切れても、子どもとの関係が切れないのがありがたいです。