とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

169 後ろあやとび(1)

■ 前半:跳ばずに交差を回してみよう

今回は「後ろあやとびのこと」。

低学年の先生から後ろあやとびのコツを聞かれました。

前あやとびはともかく、後ろあやとびはあまり考えたことがなくて、うまく答えられませんでした。ただ、「交差がおおげさ」「縄が見えない」あたりの話をすると、「そう、それ!」と打てば返るような反応。

困っているのはそこということですね。

コツの書かれたページはいくつかありましたが、思ったより少なかったです。そこで、自分でも考えてみることにしました。

前半は、後ろ交差をして跳ぶまでです。


まずは、体の前から回すだけで、「跳ばずに」、どんな回し方をしているかを確認してみましょう。

イラスト:後ろ交差を回すところ。パターンABCの3つ。(3つの状態はこのあと本文で記載してます)

後ろ交差を回すところ(パターンABC)

上の3つのどれに近いでしょうか。

うまくいかない例も並べたのは、いい回し方と比べるためです。もちろん目指すのはいい回し方。でも、いい見本と比べて、どこを直せばいいのかを知るために、「できない自分の回し方」を知るのも大切だと思います。

Aは、腕で持ち上げているだけです。勢いよく振り上げないと、縄が頭の後ろに行きません。さらに、手が高いので、縄の一番下が地面から高い位置に来て、跳ぶのも大変です。

Bは、回しながら、グリップを持った親指を後ろに回しています

ここ、重要です。普通の後ろとびよりも、交差したときのほうが手首を後ろに回しやすいのです。ラクなのでやってみましょう。ただし、交差が大きすぎると、腕の筋が張りすぎて、手首がうまく動きません。交差は手が肩の下に来るくらいでいいです。

この親指の動きは、前から後ろの動きです。ちょうど縄と同じで、Aよりも簡単に、縄が後ろに回ります。ただ、まだ手が高いので、縄が後ろに回っても、縄の一番下が高くて、跳びづらそうですね。

そこでCです。

下にある縄を軽く引っぱり上げながら、Bと同じように親指を後ろに向けています。回すには、これだけで十分なんです。

大切なのは、縄がピンと張って、簡単に勢いがつく状態を作ること。腕を大きく上げてしまうと、縄も一緒についてくるせいで、なかなか縄がピンと張りません。イラストでは足の前から始めていますが、後ろとびをして、足の下から縄が回ってくるときも同じです。腕ごと持っていくのではなく、縄を引っぱり上げる感じですね。

感覚をつかむには、後ろ回しをする姿勢になって、一度縄を浮かせて、縄にたるみのない状態で、軽く上げてみましょう。縄がピンと張って重くなったら、それが勢いをつけやすい状態です。

これができると、AやBと違って、そんなに手が高くない状態で、縄が後ろに回ります。縄の一番下も地面に近くなって、跳びやすいはずです。

交差できないまま縄が後ろに回って、跳ぶときに大混乱という子をよく見ます。そういうときは、「跳ばずに」、まず交差だけできるようにしましょう。


さて、次は跳ぶところです。

タイミングを覚えるための練習っぽいことを書いておきます。

1.上のように、跳ばずに、回した縄が足の後ろ側に当たるまでをやってみましょう。
2.今度は、縄を持たずに、後ろ交差までの動きをして、今度は跳んでみます。

どのタイミングで跳びますか? 1で足に縄が当たったのを思い出して、それをよけるように跳ぶのではないでしょうか。跳ぶタイミングで頼りになるのは、うまく回せるようになった1のイメージです。そして、

3.縄を持って、後ろ交差を跳んでみます。

になります。1から直接3をやってもよさそうですが、2で、縄の来る位置をイメージできているかどうかで、3の成功率が変わってくると思います。

ここで大切なのは、「跳ぶときに手を上げない」こと。うまく縄が回ってくるか不安で、縄を動かそうとして手を上げてしまう子を見ますが、せっかく足の下に来た縄が高くなって、ひっかかってしまいます。あやとびだと交差のあとに手を開きますが、それは跳んでからでも大丈夫です。

あとは1~3を繰り返して、タイミングを覚える=タイミングを知るところにたどりつけます。

……と言うのは簡単なものの、単調になりがちなので、休み休みやりましょう(笑)。鏡があれば「見ながら跳ぶ→見ないで跳ぶ」の流れで練習できますし、晴れた日に影を見ながらでも、それに近いことができます。

実は、今回だけ見れば、後ろ交差とび1回分です。交差ができるかできないかで、あやとびができるかできないかも決まってくるんですね。


長くなりました。

これでまだ前半です。考えたことを詰め込むスタイルですみません……。

残りは次回。後半の、後ろ交差を開いて跳ぶところです。