とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

171 これは納得! 2重跳びのコツ

■ 縄が足の前にきたら力を入れる

今回は「2重跳びのこと」。

あるかたの書いた2重跳びのコツに、すごく納得しました。

短くまとまっているのですぐ読めます。でも、書かれているのはまさにポイント。

声かけは違いますが、こんなイメージで読みました。

イラスト:子どもに「このへん」と足の前を示すとびまるさん。「足の前でビュンって力を入れてみて」

足の前で力を入れる

実際に学校で、これで良くなった子がいました。

今までは2回旋めの途中(縄がまだ顔の前くらい)で着地してしまって、あと一歩と言うにも厳しいくらいだったのが、上のアドバイスをしてみたら、着地してすぐ縄が足に当たるところまで来ました。たぶん、大きくジャンプして同じことをしたら、もう跳べるんじゃないでしょうか。

「間(ま)を作る」というコツは、3重跳びの話でも書きましたが、間を作ったらどこで勢いをつけて回しはじめるのか? というポイントの答えが、ここにあるような気がします。


2重跳びが跳べない理由はいくつかあります。

その1つが「力を入れるのが早い」で、今回のコツは、この弱点を直せるやりかただと思いました。

「力を入れるのが早い」状態というのは、たとえば、頭の上くらいで、もう縄に勢いをつけて回しはじめている状態です。これをやると、跳びはじめ(足が地面から離れる瞬間)まで早くなって、2回目の縄が回ってくるまでに着地してしまいます。それに、力を入れるのが早すぎて、最後まで縄の勢いがもたないこともあります。

足の前で勢いをつけるやりかたに比べて、頭の上から足の前まで縄が余計に回っているから起こる状態と言えます。

上で書いた子は、縄が余計に回る部分をなくせたぶん、2回旋目が早く足まで回ってくるようになりました。


伝えるときは、「今まで」と「これから」をはっきりさせるといいですね。

「今まで」は頭の上から力を入れていた状態。
「これから」は足の前から力を入れる状態。

こう伝えると、どこをどう変えたらいいのか、わかりやすくなると思います。

どう変わるのか、数字にしてみました。

イラスト:2重とびの軌道AとB。Aは頭の前くらいから始まって2回転。Bは足の前から始まって2回転。どちらも足の下に丸数字で1と2。

同じ2重とびでも回転数が違う!

丸数字はそれぞれ、1回旋目、2回旋目という意味です。

この子がジャンプすると、1.3秒間跳べるとします。

Aが「今まで」です。今までの回し方だと、頭の上で力を入れてから、縄が2回足の下を通るまで 1.5回転かかっていました。わかりやすいように、「2回足の下を通るまで 1.5秒かかる」と考えましょう。

Bは「これから」。足の前で力を入れると、イラストだと 1.2回転くらい。つまり、「2回足の下を通るまで 1.2秒で済む」ことになります。

AでもBでも、力を入れる瞬間にジャンプします。この子のジャンプは 1.3秒。そのあいだに、縄が2回足の下を通らないといけません。Aだと 0.2秒足りずに着地してしまいますが、Bなら縄が通って 0.1秒後に着地で間に合います。

数字は強引ですけど、こういうことですね。

上の跳べない理由でもふれましたが、跳べない子が「跳びはじめるのが早い」というのは、わりとみんな気づきます。Aがまさにそれで、力を入れるのに合わせて跳ぶから、跳びはじめるのも早いのです。

問題は、そこでどういうアドバイスをすればいいかです。どのタイミングで跳ぶかを教えるより、どこで力を入れるかを教えたほうが、結果として、跳びはじめるタイミングも直ります。


上のブログで、縄跳びてんちょーさんが書かれたのを読んで、こんな感じで考えました。2重跳びだけでなく、普通の前とびでも、はやぶさでも、うまくいかない原因が同じなら、今回のコツがいかせると思います。

このアドバイスで、いろんな子が跳べるきっかけを増やせたらいいなあ。