今回は「演技のこと」。
前回、学校のクラブ発表のことを書きました。
去年と同じように、おまけで、僕も撮影した演技を流しました。
すでに動画で公開してあるものです。冬にあの動画を撮ったのは、クラブ発表で使うためでした。学校では、メッセージだけ学校用にして、同じ動画を流しました。
「すごかったー(笑)」と笑顔で言ってくれた子たちには、楽しいものを見せられました。大半の子には、ちょっとしたお楽しみの時間になったと思います。
ただ、気持ちとしては、けっこう複雑でした。
ずるい気がしたんですよね。
実は、あの動画を公開して以降、練習で20回は同じ演技を跳んだんですが、おなじくらいの演技は一度もできませんでした。撮ったときはフロア+スピーカー、練習は公園の地面+イヤホン、という環境の違いはあったにしても、さすがに安定感がなさすぎなまま、クラブ発表の時期まで来てしまいました。
あの動画が撮れたときは、とりあえずクラブ発表に出せるものができたと安心してましたが、だんだんと「それでいいのか」という気持ちになってました。
動画が撮れたときくらいしか、まともに跳べなかったからです。奇跡の1回を見せるようで、ずるい気がして、見せるのはクラブの子たちの発表だけにして、自分の動画はやめておくつもりでした。
結局は、僕の動画も催促されて、撮影してないとウソをつくのもつらかったので、恒例の隠し玉みたいに見せたんですが……。
あれは自分の実力ではありません。
たまたまうまくいったときの記録です。やっぱり「ずるい」です。
喜んでもらえるなら、こちらの気持ちなんていいじゃん、という考えもあるでしょう。いいところだけ見せて、弱い部分は見せずにおくのも、舞台裏の演出です。
でも、それで終わりじゃないんです。
目の前で見せてと言われたら? 同じクオリティで跳べるでしょうか。まずムリです。うまくいったものを見せてしまうことが、自分にとってものすごくプレッシャーになります。本当はできるんだよなんて言えません。それなら、その「本当」を人前でも見せろって話じゃないですか。
Youtube みたいに、ただ見せるだけで、それ以上のアプローチのない形なら、奇跡の1回もありだと思います。いいものを選んで見せられる場ですから。だから、あの動画は公開しました。
期待を持たせてしまう動画。期待にこたえられる実力。
知った人には、この両方がないと見せづらいものなんですね。以前よりも、できるとき・できないときの落差が大きくなって、残念ながらほとんどが「できない」パターンなので、今回のはちょっと、なんともならない演技でした……。
最後は、自分のやりたいものを!という気持ちで押し切る以上、どこかにずるさは残ると思います。
それでも、身のたけにあった演技で、見せられるものを作るなら、そんなにずるさも目立ちません。どんな技を入れておけば、まだ見せられる演技になるのか、考えないといけませんね。
イラストは例によって画像検索から。
ほんとは、今回の内容をイラストで表現できればいいんですけど、なかなか明るめのものが浮かばなくて、検索パターンに逃げました。ワイヤーロープを見た子どもが「なんかずるいー」と言ってる絵とか浮かんだものの、模写も練習になるので……。これまたずるい(笑)。
これ、実はまっちゃんのブログのある記事に貼られていた画像です。どこに「ずるい」があるのかと思ったら、まっちゃんの記事を転載しているページに、陸上で義足はずるいのか?という記事もあったのでヒットしたようでした(笑)。