とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

193 かぶせキャッチとすくいキャッチ

■ 取りやすい角度と次への流れ

今回は「キャッチのこと」。

リリースしたあとのキャッチには、2つの取りかたがあるようです。

上から取るか、下から取るか。

イラスト:手もとのアップ。左半分には、回ってきたグリップに手をかぶせるようにキャッチしている様子。上の余白に「上から」の文字。右半分には、回ってきたグリップを手ですくうようにキャッチしている様子。下にの余白に「下から」の文字。

上から、下から、どう違う?

グリップをキャッチするタイミングは、イラストのようにグリップが下を向いているときがほとんどです。このとき、上から手をかぶせるように取るか、下から手ですくうように取るかの違いがあります。

それぞれ、キャッチしたあとで、前回し、後ろ回しにつなげやすいです。


イラストのように、上から取ると、手をかぶせている感じになります。

難易度はこちらのほうが高いと思います。下から取るときは、手が受け皿になっているので、キャッチに失敗しても、手からこぼれたグリップをつかみやすいです。一方、上から取るときは、つかみそこねたら、グリップはそのまま落下です。「叩き落とす」ような形で失敗することも多いでしょう。

上から取るには、手でつかみやすい場所や角度でグリップが回ってこないといけません。

あまりムリな角度では取れません。多くのリリースは縦回しで、グリップもイラストのように前後に縦回転しています。鉄棒をつかむような真横ではなく、縦に近い角度でキャッチすることになります。手首の曲げやすさから考えると、あまり外側にひねる形でキャッチしたくはありません(グリップのおしりが内側を向いていると手首が苦しい)。

となると、グリップの角度は「垂直~おしりが外側」あたりが理想になります。回っているグリップにそういう瞬間が生まれるように、リリースを回すといいわけですね。縄をコントロールする技術が大きく影響します。

つかみやすければ、「叩き落とす」ような失敗も少なくなるでしょう。キャッチから技をつなげていこうとすると、次の動きに気持ちが行って、つかみそこねてしまうこともありますが……。


さて、下から取ると、今度は手ですくっている感じになります。

キャッチするだけなら、てのひらが受け皿になるので、落としにくい取り方です。グリップの角度は、今度は「垂直~おしりが内側」のほうが取りやすくなります。

こちらの取りかたをしている人はあまり見ません。

おそらく、そのあとつなげる技・動きのためだと思います。キャッチの手の動きを考えると、上から取るときは上から下で前回しに合っていて、下から取るときは下から上で後ろ回しに合っています。つまり、上から取ると前回し、下から取ると後ろ回しにしやすいのです。

意識しなければ、やっぱりなわとびは前回しが主流です。[リリース → キャッチ]のあとも同じ。前回し系につなげるから、上からキャッチする人が多いのでしょう。

たしか、競技ルールでは、リリースから跳びながらキャッチして通せば、それだけでレベル4です(※2016年ごろ)。後ろ回しでもたぶん同じですが、リリースが体の前方で行われている関係で、前回しのほうがすぐに足の下を通せて、短い時間に収められるのも利点なのかもしれません。


実は、僕はずっと下から取っていました。

上からキャッチしたくても、グリップを取りやすい角度で回せないんです。それは今でも変わりません。ずっとリリースは安定しません。なんでみんなあんなにきれいにリリースできるんだろうと落ちこみながら、ここまで来ました。

その代わりに、多少やりやすかったのがリリースからの後ろ回し系です。わりと珍しいらしいですが、そっちしかうまくいかないというだけです。

そんなわけで、今回書いたのは理想論に近い部分もあります。キャッチの話とはいえ、カギを握るのは、やっぱりリリースのうまさだと思います

 

2024.4.18 追記:その後、上からキャッチもできるようになりました。軽めの韓国ロープだったのをいったんインドロープに変えてみたら、縄の重みを感じやすくてリリースをコントロールできました。韓国ロープに戻しても成功。一度、感覚を「つかむ」のも大切だと思います。