とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

207 片手エアなわとび

■ 苦手な片手に愛の手を

今回は「感覚のこと」。

エアなわとびってありますよね。

縄を持たずにジャンプだけして、なわとびのフリをします。一般的には、縄がなくてもできる全身運動みたいなもので、ちょっとしたフィットネスです。

なわとびする人も、動きやフォームの確認で、エアなわとびすることがあります。イメージ練習です。部屋の中のように、どこでも縄を振り回せる場所とは限りませんからね。

ふとした思いつきで、これを片手でやってみたらどうなるか、試してみました。


左手が全然動かせないことがわかりました。

僕は右が利き手です。右手だけでエアなわとびしたら、こちらはわりと動きます。縄がどう動くのかイメージできるので、片手で手元に縄がなくても、右手を動かせました。演技のルーティンも、イメージを追いながら右手の動きを作れました。

ですが、左手は……。

前のSCCをやろうとしたら、Sの時点でどう動かせばいいのかがわかりませんでした。左手だけだと、サイドスイングの動きすら再現できないんです。

目を疑いました。何年なわとびやってるの?

でも、それが現実でした。右手も加えて(要するに両手のエアなわとびで)やってみるとすぐできる。動いてるよ左手。単体だと動かなかったのに。

だんだんと左手でもコツ(?)がわかってきましたが、トードだけでも左手って足の上だっけ? 下だっけ? という状態で、やっぱりとっさに動きません。

つまり、左手は右手に添えるようにしか動かせていなかったんだと思います。


感覚をつかみきれていないということですね。

これまでも、3重跳びのように左手が回しきれなくて続かないことがありました。3回回す感覚についていけないんです。利き手は、日常生活の中で優先して使うクセがついているので、右手のほうが「訓練」されてます。激しい動きを繰り返していれば、左手のほうが先に脱落してしまうのは、そんなに不思議なことではありません。

ただ、単発の動きで左手が動いていないとしたら問題です。

わかりやすいのがEB系で、僕の場合、前後交差の組み合わせは右手が前・左手が後ろなんですが、縄がゆがみます。右手は勢いがついているのに、左がうまく回せていないので、体の左側(僕のEBだと右手側)の勢いが強くて縄が斜めになります。(2023.10.31 追記:両手の角度にも原因はあったでしょう)

なので、EB2重とかSEBOとかEBTJとか全部苦手です。

右手だけで勢いを持っていってるパターンが多くても、なんとかなる技は多いです。でも、EB系はそうはいきません。左手が背面でもたもたしていると、縄がまともに回りません。

実をいうと、つい最近、EB2重やSEBOだけ本来の前後交差と手を逆にしました。右手を背中に持ってきたということです。そのほうが断然勢いがつくので、跳ぶのも楽になりました。EBTJは上げる足も変わるので、まだできずに元のままですが……。

左手が動いていないことの解決にはなってないものの、動きを見直すきっかけにはなりました。


そういう意味では、片手エアなわとびは弱点を見つける練習になるかもしれません。

感覚が追いつかない部分があれば、実際に跳ぶときも判断が遅れているということです。両手がそろうと、それっぽく動けているので見えなくなるだけで、片手だけ照らしてみれば、どこかに落ちがあるんじゃないかと思います。素人考えですが……。

じゃあ、片手だけで練習したら上達するんでしょうか?

このへん、両手の協応みたいな要素もありそうで、バランスよく合わせるのがいいのか、一方だけスキルをあげてもバランスがそろうのか、よくわかりません。

だいたい、片手エアなわとびでなくても、普通に跳んでいれば、どちらかの手の動きが弱いのは感覚的に気づいて見直しているでしょうしね。

苦手な手のフォローはともかく、苦手だということを「もう一度」気づいて感覚を知るだけでも、片手エアなわとびは効果があるのかなと思います。

イラスト:体育館で、片手だけ動かして考える子どもたち。ぎこちない・・・とつぶやく女の子。前? 後ろ? と混乱する男の子。こうなったら縄を具現化して・・・と手に何かを集中する女の子。それを見て、またハンター、と笑う男の子。(マンガのハンターハンターのこと)

苦手を知るのも一つの手