今回は「腕の安定のこと」。
前回、手首の話を書いていて、浮かんだ言葉があります。
それは「わきをしめる」。
手首で回すと同じように、これもアドバイスでよく言われますよね。僕自身、そうアドバイスしていただいたこともありますし、自分の動画を見ていると腕が開いているのが気になります。
……が、いざわきをしめようとすると、どうにもうまくいきません。
わきをしめると、ほとんど手首しか動かなくなります。わきをしめる力を入れるために、わきからひじまでが固まってしまうんですね。
わきの下にタオルをはさんで、タオルが落ちないように――というわかりやすいやりかたもあります。ところがこれも、わきの下でタオルを押さえつける力ばかりが入って、手首以外は全然腕が動かない状態になります。
手首だけで回す、という状態を練習できるわけですが、はっきりいって、その状態で縄を回すのはきついです。
「ひじをつける」のほうが、個人的にはわかりやすいです。
あまり体に押しつけなくても、「ひじを軽く体につける」くらいにすれば、勝手にわきもしまります。
力の入りぐあいもちょうどいいです。肩~ひじ~手首とつながる腕が、固くならずにすみます。
一番効果的だと思うのは、手がブレずにすむことです。
わきが開く(腕が開く)フォームは、極端な見方をすれば、肩から先が宙ぶらりんな状態です。縄の遠心力とうまくつり合いがとれればいいんですが、そうでないと、全身の動きや縄の勢いに振り回されて、手の動きがブレてしまいます。
軽くでもひじがついていると、そのブレを押さえられますし、力を入れたいときだけ、体に押しつける力を強めればいいのです。
後ろ回しあたりは、けっこうこれが効果的な気がしますね。
後ろ3重などの多回旋や、後ろSASOなど多回旋に入る前の予備跳躍で、このブレを軽減した安定感がいきてくるのを実感しました。たとえ予備跳躍でも、その段階で手と縄が安定しているかどうかは、技に入る瞬間の安定感にもつながります。
ずっと、「わきをしめる」がうまくいきませんでした。
言葉をまともに受け取りすぎたせいだと思います。しめる部分を、わきよりも下のほうにして、「ひじをつける」くらいにすれば、こんなに安定したのに……。
今でも気を抜くとわきが開いて、縄がブレぎみになることはあります。でも、ブレたとき、思い出したようにひじをつけるクセがついてきました。
すこし前に、縄のまっちゃんがこんなことを書かれてます。
まぁけど…すでに「マウス持ち」と「音の出ないジャンプ」は古いですよ。二重とびにマウス持ちは逆効果だし、一回目を頑張る段階では音を出して着地したほうがいい。さらに言えばタオルを挟むのは10回以上できる上級者がさらに記録を伸ばすため以外は逆効果。最先端は日々進歩してるのです。
— 縄のまっちゃん(粕尾将一) (@macchan8130) 2017年2月14日
ある程度縄を回せるようになってから取り入れる練習法、ということでしょうか。これも、前回書いた順番の問題を思わせる話でした。
どれくらいの習熟度の人に、これが効果的なのかわかりませんが、「ひじをつける」=わきをしめることで、ようやく腕が安定を感じることができました。