とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

274 決め球のデザイン

今回は「技術のこと」。

「後先考えずに全部決め球のつもりで投げました」

プロ野球中日ドラゴンズの大野投手が283日ぶりに白星をあげたときに、こんな感じの談話をしていました。

チーム成績は低迷、今シーズンが始まって個人成績は0勝5敗、期待にこたえられなくても何度も先発させてくれた首脳陣……。いろんな重圧を背負いながら、先発投手としての責任を果たそうとしたとき、一見むちゃに思えそうなやりかたで勝負をしたのかもしれません。


これってフリースタイルでもできるのかなあ……。

というのが、新聞で大野選手の談話を読んだときに思い浮かんだことです。

自分の演技は失敗が多いので、こういう気持ちでやればなんとかなる可能性があるのかなと思ったんです。

その日の新聞はもう古紙に出してしまって、「決め球」という言葉を使っていたのかはっきりわかりません。ネットでも出てこないですね。決め球と決め技、似たイメージが浮かんだだけだったのか……。

単なる「全力」では難しいでしょうね。決め球になることはあっても、バテて続けられそうにありません。後先考えないといっても、どこかに計算があってこそ、決め球は決め球になるのです。


『ディザインズ』というマンガでこんなせりふがありました。

暴走が起きたときに そのリスクを制御できない技術は
とても 実用段階に至っているとは言えません

リスクが大きすぎて まったく合理性に欠ける
エレガントじゃありません

   ――五十嵐大介『ディザインズ』第12話「木の皮の裏が蜂の巣」

原発核兵器をイメージする言葉です(実際は人間化された動物の話)。でも、人造動物や原発問題がどうこうではなく、この人が大切なのはそれが「エレガント」かどうかという美意識なのでしょう。

エレガントでさえあれば、多少の犠牲があっても小さなことだと言わんばかりですが、暴走しない、崩れないというところまで計算された技術には、たしかに一定の価値があります。


1つの技をいろいろ考えることが多くなりました。

考えることが必ず結果につながるかどうかはあやしいです。でも、考えずに感覚だけで成功する技術を持っていない以上、やっぱり考えるしかありません。そうする中で、感覚が言葉になった部分もあります。そのイメージを再現できるなら、今まで苦しんでいたことのいくつかが解消されそうです。

実際、イメージを動きに落とし込んで、うまくキメられることもすこしだけ増えました。その「確かさ」を自信につなげられれば、暴走の制御にもつながるのか……。

練習というのは、自分の動きをデザインしていくことなんだなと思います。


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『ディザインズ』のクーベルチュールを描いてみました。

カエルと人間のハイブリッド。カエルのように、全身の皮膚で周囲を感じ取れる生物です。密林で縄を手に走り抜けても、植物や昆虫をよけながら技を行うくらいできてしまうのでしょうね。

細かい話ですが、いつもはすこし明るめに画像処理を入れているのを、密林なので暗いままにしてみました。こういう演出もまたデザイン――でしょうか。