とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

289 孤独な群生相

今回は「バッタのこと」。

『バッタを倒しにアフリカへ』という本がひそかに売れているようです。

前野ウルド浩太郎さんという昆虫学者の書いた本で、光文社新書から出ています。バッタの魅力に取りつかれて、大量のバッタから被害を受けているアフリカの国で奮闘する話。

5月発売で、僕は7月ごろ買って読んでいたのですが、その時点でもう6版でした。新書にしては売れている……のでしょうか。うわさを聞いてぱらぱらと読み返しました。


当時に気になった部分を思い出しました。

バッタには「相変異」という現象があって、数が少ないうちは単独行動なのに、数が増えてくると問答無用で大群で行動するようになるそうなのです。少数のときが「孤独相」、大群のときが「群生相」と呼ばれます。この「相」が変わるので相変異というのだとか。

別にヒトだって、集まれば集団行動するでしょ……と思ったものの、この群生相、孤独相ならおとなしくそのへんで跳んだり跳ねたりしているだけなのが、大群になると羽が長くなる個体が増殖して、はるか遠方まで集団で飛べる=広範囲に大群で被害を与えるようになるのだとか……。

その点、同じ「とぶ」でも単縄なら、集まれば技を教えあい、コツを学びあって、みんなで跳べるようになるのだから平和だなあと思ったのでした(笑)。

ちょうどその部分を読んだのが、児童館のクラブに向かう電車の中だったので、なわとびとバッタがリンク(?)したのかもしれません。


とはいっても、まだ単縄は大群ではありません。

というか、大群になるには環境が厳しいですね。マイナースポーツなのでそこらじゅうで行われているわけではありません。個人のパフォーマンス的な雰囲気もあるので、人を選ぶ部分もあるでしょう。

バッタの例で言えば、群生相になるには、集まるだけの環境がなければいつまでも孤独相のままなんですね。

まあ、群生相・大群にならなきゃいけないのかと言われればそんなことはありません。そもそも、たとえばサッカーと単縄で比べたら群生相そのものの規模が違うという考え方だってあるわけです。他から見れば小規模でも、マイナースポーツの個人が思った以上に各地にいるという状態になっていれば、小さくても一種の群生相でしょう。

増える・集まることは、以前書いた、施設に断わられがちな立場を変える効果もあるかもしれません。僕はもう、おそらく孤独相から動かないまま跳び続けて、どこかで跳べなくなるときがくると思いますが、バッタと違ってどこかの「相変異」を眺めながら跳んでいられるのかなと思ってます。


ちなみに、なわとびにこんな技がありますよね。

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検索しても出てこないのですが、「グラスホッパー」だった気がします。バッタ。

実はこれ、ほんとは「イナゴ」だそうです。

ちなみに、バッタとイナゴは相変異を示すか示さないかで区別されている。相変異を示すものがバッタ(Locust)、示さないものがイナゴ(Grasshopper)と呼ばれる。日本では、オンブバッタやショウリョウバッタなどと呼ばれるが、厳密にはイナゴの仲間である。

    ――前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ』、光文社