今回は「マネのこと」。
なんとなく思っている似顔絵のコツがあります。
「あの人と似てるなー」と思える部分を見つけること。
その人の顔をそっくりマネようとしても、模写する力がないとできません。モデルが目の前にあっても、1から描くのと同じだからです。
でも、描きやすい部分はあります。それが「だれかに似てる」部分。少なくとも自分の中にイメージが浮かぶぶん、描きやすい箇所になります。
初めて会った人を見て、一瞬、「だれかに似てる」と思うときがあります。
その段階では、なんとなくAさんに似てるくらいの感覚ですが、もうすこしよく考えてみると、目もととか、口もととか、「どこが似ているか」までわかると思います。
似てる、と思った大もとはそこにあるということですね。
こういう、「部分を見つけ出す」のがなわとびでも大切なんだろうなと思います。
前回、3重あやの話を書いたときに、参考でいろんな人のSCOOを動画で見ました。いくつかブラウザで並べて、同じようなタイミングで停止してみましたが、大会でこの技を入れている人は、だいたい似たようななめらかさがありました。
SCを入れて、手早くOOを回すあたりの共通性が、まずは目指してみる回し方なのかなと感じました。
だれかをマネするだけでなく、いろんなだれかの共通項をマネする。
上で書いた似顔絵の話で、共通して似ている部分は描きやすいかもしれない、という理屈とリンクするものがありますね。
一方で、SCOOだと、最初の、SCの入れ方、SCのどこで跳びはじめるかなど、いろんな部分を見比べていくと、似ているようで違う面もあります。人それぞれ特性があるので、同じような上達をしているように見えて、すこしずつその人のやりやすい跳び方に分かれていくのでしょう。
といっても、見つける技術と、自分で再現する技術はまた別で――。
似顔絵もそうですが、似てる部分を発見できても、それでそっくりに描けるわけではありません。イメージは固まっても、たとえ目の形1つにしても、角度、大きさ、微妙な曲線などのバランスをきれいにマネするのは難しいです。
なわとびだって、SCOOを回しているつもりでも縄をとらえられなくて空回りしたり、そもそもジャンプ力が足りなかったりで、イメージを肉体を通じて跳ぶ姿にそっくり変換するのは、即座にやれるものではありません。
ただ、見つけなければ自分で編み出すしかないわけで、いろいろ動画を見てみるポイントは、やはりマネを見いだすところにあるんじゃないかと思うのです。