今回は「クロスフリーズのこと」。
前回、クロスフリーズの話を出して思ったことを。
普通のクロスフリーズの教えかたは、前回しや後ろ回しから直接クロスフリーズに入る動きにつながるのでしょうか?
珍しい技の王道であるクロスフリーズの基本的な教えかたがあります。
「腕を交差する → 上にある腕Aを引く → 下にたれた縄の輪に腕Aを通す → 両腕を外に(左右に)広げる」……という動きです。
だいたいこれでみんなできるようになります。
ところが、「じゃあ前とびからクロスフリーズに入れる?」と応用編を始めると、とたんに混乱します。できる子はどういう動きをすればいいか自分で見つけますが、他の子はそうはいきません。
考えてみると変です。最初に覚えたときは「腕を引いて輪に通して……」だったのに、前とびからクロスフリーズのときは「両腕を輪に入れる」んです。やってることが違います。
もうすこし細かく見るなら、基本的な覚え方のときは、片腕ずつ輪に通しています。腕を引いた段階で、片腕が輪に入って、そこにもう片腕を入れます。前とびからクロスフリーズのときも、縄が前に来たところで、これを素早くやっていますが、ほとんど一度に両腕を入れているように見えます。
どちらも結果としては両腕が輪に入るわけですが、「順番に入れるか、一度に入れるか」の違いは大きいです。
たまに、自分でこういう覚えかたをする子を見ます。
左の子。片腕を引く動きなしで、縄を両腕に持ってきてしまうんですね。で、ちょっと自分のほうへ傾けて片腕ずつ縄が通ってしまうのです。勝手にこれで覚えている子をこれまでに何人か見てますが、そのたびにびっくりします(笑)。
前とびからクロスフリーズをやるなら、この形を覚えてからのほうがとっつきやすい気がします。空中で縄に手を入れているように見えて、実際は縄はここまで下りていることが多いですからね。
右の子は、後ろ回しからクロスフリーズにつなげている子……を描いたつもりです。たぶんこのままいくと、縄が背中に回ってクロスは前でできあがるパターン。普通のクロスフリーズにしたいなら、後ろ回しを回しきらずに、やっぱり左の子の形になります。
何人も子どもがいれば、理解した子から見よう見まねでできる子が広がっていきます。そのときはわざわざイラストのようなヒントはいらないかもしれません。でも、中には順番に手を通すやりかたにこだわって抜け出せない子もいます。そういう子にピンポイントで当てられるやりかたでしょうね。
前回、教えるときに出せるストックの話を書きました。
ストックが多いに越したことはありません。丁寧に段階を踏むなら、イラストの流れだけで時間を埋められます。
逆に多ければいいわけでもないので、削る場合もあります。いわゆる厳選。その1つの形が、できない子だけこのストックをヒントとして使う、ということでしょう。