とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

335 後ろはやぶさを顔に当てないために

今回は「後ろはやぶさのこと」。

すこし前、学校で後ろはやぶさに挑戦している子がいました。

教えて、と言われて、見るとかなり怖がって跳んでました

これ、すごくわかります。僕も子どものころ、練習でよく顔に当てました。1回当たると痛みで一気に怖くなるんですよね……。当時の自分の跳ぶ姿を見たことはありませんが、きっと同じようにすくんでいたと思います。

怖がるなと言ったところで、顔に当たったら痛いものは痛いにきまってます。教えてなんとかできるのは技術的なこと ―― というわけで、いくつか考えました。


まず原因。手を横に開くから顔に当たる。

その子はこの影響だと思いました。

後ろはやぶさは、ほとんどの子がCO(クロス→オープン:交差→開く)で跳ぶので、交差から開くタイミングがあります。苦手な子は、ここで手を横に開くことが多いです。

2重とびもそうです。横に手を開けば縄が張って、縄の張りをつかみやすくなるので、フォームがここに落ち着く子が出てきます。

交差がまだ得意ではないせいもあるでしょうね。早く交差から解放されたいから、早めに手を開いてしまうのではないか、とも思いました。

これをやると、縄の軌道はこうなります。

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開くのが早すぎる影響も入れてみました。こんなふうになるんじゃないでしょうか。


ちょうど3年前くらいに、顔に当たりやすい回し方(手の位置)を考えたことがあります。

3パターンあって、「手が下すぎ」「手が開きすぎ」「手が後ろすぎ」のどれかが多いと思っています。

怖がっている子で「手が下すぎ」はあまりありません(苦手な子はだいたい手が高い)。「手が開きすぎ」がまさに今回のケース。「手が後ろすぎ」も、縄の軌道としては「開くのが早すぎる」に近いですね。

こうして顔に来るわけです。


対策の1つは、「手を開くタイミングを遅らせる」だと思います。

上のイラストのように、縄が下から顔に向かってくることが多いので、顔より上まで縄が行ってから手を開けば、ほぼ顔には当たりません。

後ろ交差を開くとき、縄は体の前から後ろへ回っていきます。その前に、「足の下を通った縄を上げる」という流れがあります。これが上がりきらないまま手を開いてしまうので、本来頭の上を通るはずの縄がそれより低く(つまり顔の高さくらいで)回ってしまうということでしょう。(右のイラスト)

ただ、これだと、恐怖を避けるだけで跳べる技術につながるかはあやしいです。練習で、後ろあやや後ろ交差2重を試すのもいいかもしれません。

後ろあやは、交差から開くところだけ縄を速く回してみます。後ろはやぶさをゆっくりにするのは難しいので、後ろあやにレベルを落として、交差から開くところだけ部分練習してみるわけです。

後ろ交差2重は、子どもにとっては後ろはやぶさより難しい技ですが、交差を開かなくていいぶん、怖くはないのがポイントです。はやぶさとは別物に見えても、2回目の縄をどう感じ取るかは同じ。交差2重の成功より、2回旋目の感覚を知ろう――というところでしょうか。


後ろはやぶさは、普通の小学校ならほぼ最高レベルの技です。

軽く検索するだけだと説明したページは少ないです。技が難しくなるほど、言葉ではなく自分で感覚をつかむ必要があるのかもしれません。そこに加えて顔に当たる視点(?)から書いてあるページはまず見なかったので、書いてみました。

「顔に当てないように回せれば跳べるようになる」なら理想的なんですが……。