■ 勢いを借りて、弱い部分をつなぐ
今回は「勢いのこと」。
どうしてEBやCLがうまく回らないのか?
前回、左右に引っぱる力を意識すれば輪はできると書きましたが、実際やってみると縄が回りません。理屈はそれっぽいのに実践できない。どこに理由があるのか試すうちに、あることに気づきました。
力の届かない瞬間があるからです。
たとえば前のSEBOで前後交差を通してOに持っていくまでのあいだ。
たとえば後ろのSCLOでサイドスイングからCLに入るまでのあいだ。
できないわけではないのですが、縄は回っていても自分の手を離れているような感覚があります。そして、上の例ならOに入るあたりで再び縄の重みが手に伝わってくるような、そんな空白の瞬間。
力が届かなければ、縄もそこで失速して、EBを戻したり、後ろCLに入ったりする動きに合わせて回らなくなります。
僕の場合、体を動かしづらいからだと思います。
前屈や開脚と同じで、これ以上はキツイな、という状態。10年20年若ければ違うのかもしれませんが、今は肩中心に筋が伸びず、EBやCLを腕で動かしがちです。でも、腕だけでは動きが大ざっぱで、形をうまく作れず、力も届きません。
そこで、勢いを借りるといいように思いました。
SEBOならサイドスイングからEBを通すまで。
SCLOならサイドスイングからCLに入るまでの一時的なO状態まで。
体を動かせないなら、そこまでの勢いで縄をつなぐのです。
まずはこれを試してみては、くらいの方法です。勢いがついても、僕のように体にゆがみがあっては難しいですし……。
試してみると、上の例だと、さらに前の段階 ―― サイドスイングで勢いをつける大切さにも気づきます。勢いがつけば、いわゆる「手首で回す」ようなコンパクトな動きにしぼりこめるかもしれません。
僕の場合、サイドスイングが弱いので、技の前に軽く足踏みしながら縄に勢いをつけ、サイドスイングにも勢いをつけて、なんとかできたときもありました。
2023.3.30 追記:このころは、縄を振りあげるのが弱くて回せていなかったと思います。加えて、グリップの先へ力を届ける感覚も必要だったのではないかと。
どんな技でも同じことが言えると思います。
うまくいかない部分を見つけて、そこを埋める工夫も見つける。
これが他の技にも返ってくることもあります。最近書いた、リリースで手首の角度がおかしかった話もそうで、手首の角度を意識することが、リリースだけでなく他の技にもいきてきます。
そこを見つけるのが大変なのですが、大ざっぱに「なぜできないのか」と悩むより、「回っていない部分」を空白として見つけて、どう埋めてつないでいくのか。
空白の見つけかた、問題箇所のしぼりかただと思います。