とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

351 ふくらんだ空白

■ あやふやな縄をどうとらえるか?

今回は「勢いのこと」。

前回は縄をとらえきれない瞬間をどうしたらいいのかという話でした。

勢いをつけたらどうか?

こんなことを書きました。勢いがあれば遠心力で縄の重みを感じられるので、縄をとらえきれない空白を埋められるんじゃないか、と考えたわけです。


後ろSASOや後ろSCLOを何度か試しました。

……ちょっと違うなあ……という感触。

勢いをつけたせいで大振りになるんですね。以前、僕の後ろSASOや後ろSCLOを見た友だちが、「後ろSOASOでも跳ぶのかと思った」と言っていました。それだけ、ASに入る前のO状態が大きいということです。

O状態が大きいということは、ASに入る動きも大きくなります。同じASに向かって腕をすぼめるにしても、「大きくすぼめる」とでも言うような状態。

この時点で、つけたかった勢いが弱まっています。

力が分散している? 腕や縄が大きく広がるということは、それだけ本来の軌道よりも外側に広がる力が生まれてしまっているということです。軌道がふくらむ=力の分散です。だから、本来の軌道に1本ビシッとつけたいはずの勢いが弱まる。

イラスト:後ろASに入る前に縄が後ろへ広がっている様子2つ。左は「縄がふくらんであやふや」。矢印がばらばらに広がりを見せている。右は「縄が広がっても軌道が1点にまとまる」。矢印は放射状に広がりつつ、縄の先で大きな力となっている。

縄をとらえて回せないと難しそう……

もともと、なぜ勢いをつけたかったのでしょう。

遠心力で縄の重みを感じて、空白だった縄の動きをとらえたかったからです。でも、縄を大きく広げて軌道がふくらんだら、勢いが弱まって縄を感じられないので、空白に逆戻りですよね。

縄を感じられない空白は、そういう縄のふくらみが生んでいるのだと思いました。

ゆがむにしても、いわゆる「斜める」にしても、どこか余計な方向に力が行ってしまう(=ふくらむ)からそうなります。力が抜けてふわっと広がるのも、またふくらみです。

そこをどう抑えるかですね。

2023.8.7 追記:腕で回していたので縄をとらえきれなかったのかな、と思います。手やグリップを動かして、フォームに入る前に縄をとらえていれば、もうすこし整った縄でASやCLに入れそう。


こんな話を書いているのは、インドロープに変えて、しばらく跳んでいなかった後ろSASOや後ろSCLOに再挑戦したからです。

あとは手の角度問題。背面で微妙にひねって縄がそれていたのを直して、だいぶそれっぽく跳べるときが増えました。

結局、うまくいくときは、ASやCLに入る前のO状態を短くしたときかなと思います。特に、サイドスイングのあと、背中から腰あたりで軌道を1本にしぼって勢いがついたとき。縄がふわっとしていたときに比べて、すっとASやCLが入ることに驚きます。

縄は広がる・ふくらむものですが、軌道が固まって重みとして感じられるようにすることも必要なのでしょう。そんなとき、ASやCLのような体勢になっても、見えない空白が埋まるのを実感しています。