今回は「サイドスイングのこと」。
どうしてサイドスイングがあんなに短いのか?
上手な人の動画を見て、たまに感じていたことです。
「短い」と表現したのは、前回の話のように軌道を描いてみると、サイドスイングが自分のイメージよりもはるかに短い線で描けてしまうからです。
ひょっとしたら、サイドスイングの「時間が短い」だけで縄の動く距離は変わっていなくて、「速い」を「短い」と感じただけかもしれません。
いずれにせよ、ぐるりと振られた軌道をとるイメージのあったサイドスイングが、短い・速い人を見ると「空中で小さく縄先を跳ねさせた」だけでもう次のフォームに入っているように見えて、いつもイメージがくつがえされますね……。
あれができるなら、技全体の回す時間も、短く・速くなるんだろうなあと思います。
でも、サイドスイングを速くすればいいというものではありません。
これも「手と縄」の話で、連動していないと縄が暴れるだけです。僕のように縄が右にそれるクセがあると、露骨に縄がブレます。
ここをどうすればいいか。
1つは、サイドスイングの次に来る技(フォーム)とのつなぎでしょうか。
ここで前回の話 ―― 複数の軌道をつなげる話が出てきます。TJならSとトードという部分を1つにつなげる。SEB系あたりは、SEBが1つの流れに近いのでわかりやすいかもしれません。
S~~という縄の軌道を、いかに1本の切れ目ない軌道にするか。
できないパターンも含めると、こんなぐあいでしょうか。(またTJの例です)
・サイドスイングだけ勢いをつけると、次のフォームまでに、一瞬でも縄が「放置された」ような空白ができる。
・次のフォームに早く入ろうとすると、サイドスイングが不完全で縄がブレる。
この2つの不十分さは、どちらも1つの目的だけ見すぎて、コントロールを手放していると言っていいでしょう。逆に、ここを押さえていれば、縄は切れ目なく軌道を描いて回る。というか、そこを意識して回し続けるのがよさそうに思えます。
僕が多回旋の中で「見えない空白」みたいなものを感じていた一端は、こういうところにあるのかもしれません。少なくとも、自分の意志でひとつなぎに回していれば、空白は生まれないわけですから……。
手をどう動かすかではなく、縄がどう動いているかを意識することの重要性を、練習する中ではっきりと感じました。
それですぐにサイドスイングが短く・速くなるわけではないと思います。
でも、技の初速で1本の切れ目ない軌道を作ったことで、その軌道を技術で短く・速くしていくことは可能でしょう。推測ですが、それが上手な人のたどった道です。
「TJはすぐトードに入れるとよい」と教えてもらったことがあります。上で書いたことが、その途中段階にあるのかもしれません。
ただ、めちゃくちゃ速いサイドスイングって、もはや1回旋に相当するのかわかりませんね。競技のD点でサイドスイング=1レベルという「正当性」が、高度な意味で揺らぐような気がします……。