とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

386 幼い子は縄を背負う

今回は「回し方のこと」。

前回、引いて回す回し方のことを書きました。

腕を引きすぎると、縄も体の前で引っぱられて、軌道が体に近すぎるからよくない、という話でした。これは体の前のできごとですが、「体の上」でも起こるんじゃないかな、と思います。


なわとびを始めたばかりの子は、肩から腕を回して跳ぶことが多いです。

肩から腕を大きく振り上げた姿を想像してください。前に回すとき、体の上で縄を引っぱってませんか?

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これ、縄が回ってないと思います。

前には行きます。でも、「引いて回す」デメリットを思い出すと、やっぱりこれも、縄の軌道が円からゆがんでいます。弧を描くというより、頭上で水平移動している感じ。そのままだと、縄が地面にべちゃっと叩きつけられてしまいそうです。

こう書くと、柔道の背負い投げに似ていますね。縄を背負うとでも言うのか……。

柔道と違うのは、地面に落とすのが目的ではなくて、その次に回ってきた縄を跳ぶという動作があること。頭上で引いて回したとき、まずいのは、跳ぶタイミングをつかめないことです。

本人は回しているつもりでも、縄がついてきません。手よりも遅れて引きずられるように前に落ちてきたり、地面に当たってはねたり、およそコントロールからはほど遠い状況になります。そんな縄を跳びこせるのか? ―― 難しいでしょう。


縄が回っていれば、タイミングもつかめると思うんです。

軌道という言葉や意味を、小さな子ではまだ理解できていません。でも、縄が回っていれば、見てわかりやすいし、手元で感じやすいはずです。来た縄を跳びこえるくらいのレベルだとしても、その感覚を知るには、縄が回っているにこしたことはありません。

379で紹介した、ふっくんのこのツイートの「大きく回す」は、縄を背負ってしまう話の解決に近づけますね。この場合、最初は意識的に縄を上に向けないと、回らない気がします。


幼い子どもでなくても、この問題は見られます。

今のシーズン、体育の授業に目をやると、順番に短縄の技を跳ぶ中で、交差とびになったとたんに縄を背負う子が増えます。単純に、回せない → 縄がついてこない → 頭上で引いているだけ、という姿になります。

2重とびになってもそれは同じ。縄をとらえきれないと、ゆるんだ縄が引っぱられるだけになってしまいます。

これは僕自身も感じます。前回の体の前、今回の体の上、縄はどこかで回せない瞬間が来ると、引かれるだけになってしまいます。次回は、どうすればいいのかが見えた話について、書こうと思います。