今回は「回し方のこと」。
前回、引いて回す回し方のことを書きました。
腕を引きすぎると、縄も体の前で引っぱられて、軌道が体に近すぎるからよくない、という話でした。これは体の前のできごとですが、「体の上」でも起こるんじゃないかな、と思います。
なわとびを始めたばかりの子は、肩から腕を回して跳ぶことが多いです。
肩から腕を大きく振り上げた姿を想像してください。前に回すとき、体の上で縄を引っぱってませんか?
これ、縄が回ってないと思います。
前には行きます。でも、「引いて回す」デメリットを思い出すと、やっぱりこれも、縄の軌道が円からゆがんでいます。弧を描くというより、頭上で水平移動している感じ。そのままだと、縄が地面にべちゃっと叩きつけられてしまいそうです。
こう書くと、柔道の背負い投げに似ていますね。縄を背負うとでも言うのか……。
柔道と違うのは、地面に落とすのが目的ではなくて、その次に回ってきた縄を跳ぶという動作があること。頭上で引いて回したとき、まずいのは、跳ぶタイミングをつかめないことです。
本人は回しているつもりでも、縄がついてきません。手よりも遅れて引きずられるように前に落ちてきたり、地面に当たってはねたり、およそコントロールからはほど遠い状況になります。そんな縄を跳びこせるのか? ―― 難しいでしょう。
縄が回っていれば、タイミングもつかめると思うんです。
軌道という言葉や意味を、小さな子ではまだ理解できていません。でも、縄が回っていれば、見てわかりやすいし、手元で感じやすいはずです。来た縄を跳びこえるくらいのレベルだとしても、その感覚を知るには、縄が回っているにこしたことはありません。
なわとびは上手な人ほど、手首を上手に使って小さく回していることは間違いないけど、前とびもまだの子に小さく回させるのは間違い。逆に跳べないし上達も遅くなります。
— ふっくん@なわとびパフォーマー (@fuji6112249) December 18, 2018
最初は大きく回すように伝えてます。そして、個人的には腕を止めずにずっと回し続けることが大切だと思ってます。
379で紹介した、ふっくんのこのツイートの「大きく回す」は、縄を背負ってしまう話の解決に近づけますね。この場合、最初は意識的に縄を上に向けないと、回らない気がします。
幼い子どもでなくても、この問題は見られます。
今のシーズン、体育の授業に目をやると、順番に短縄の技を跳ぶ中で、交差とびになったとたんに縄を背負う子が増えます。単純に、回せない → 縄がついてこない → 頭上で引いているだけ、という姿になります。
2重とびになってもそれは同じ。縄をとらえきれないと、ゆるんだ縄が引っぱられるだけになってしまいます。
これは僕自身も感じます。前回の体の前、今回の体の上、縄はどこかで回せない瞬間が来ると、引かれるだけになってしまいます。次回は、どうすればいいのかが見えた話について、書こうと思います。