とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

429 縄とアリバイ

今回は「予防線のこと」。

推理小説を読んでいると、アリバイという言葉がよく出てきます。

「犯行があった時間、別の場所にいたので犯行ができない」みたいな意味合いで、犯人を絞り込むような展開だと、だいたい出てくる言葉ですね。

日常生活で、リアルにこんな言葉を聞くことはないように思えますが、実はそうでもありません。「アリバイ作り」のように、予防線的な意味合いでたまに聞きます。

何かあったときのために、アリバイ作りで○○をやっておく。こんな感じです。

仕事などで聞くことが多いでしょうか。学校だと、夏休みにプール開放をしますが、気温によっては中止もします ―― というのを夏休み前に文書で出しておくとか、前日にメール配信もしておくとか。

家族に内緒で遊びに行く、飲みに行くのを、友だちに口裏を合わせておいてもらうのもアリバイ作りですが …… どちらかというと、これは偽装工作です。


なわとびで最初に浮かんだのは、競技ルールでした。

危険とみなされるアクロバットをしたら、すべての得点が消し飛ぶような大減点をされます(以前は問答無用で0点で失格だったような)。

運営が、ムリなアクロバットは求めていない現れですし、強引にやらかして負傷する人が出ても、ルールとして認めていませんと言えるように、予防線を張ってあると言えます。言い方を変えると、アリバイ作りしてある、というわけです。

危機管理の話にアリバイ作りという言葉は似合わない気もするので、本当はもうちょっと、大人の事情みたいな「こずるい」部分があるときに使う言葉でしょうね。

自分なんかだと、演技をノーミスでできないので、だいたい「何回か引っかかりますけどすみません」と先に言い訳します。ミスったときのアリバイ作り。期待を下げるのはマイナスかもしれませんが、できないくせにできそうな顔をして跳ぶほうが(僕の中では)もっとマイナスなので、この流れは多いです。

競技で、技が完璧ではないけど得点のために成立しているように見せるのもアリバイ作りと言えそうです。思いついただけで、逆にそんな高度な裏ワザがあるなら聞いてみたいですが……。


予防線という意味では、なわとびできる施設を探したときのことを思い出します。

借りようとした施設は、最終的に市の体育施設管理協会みたいなところから連絡がありました。答えは「なわとびは床が傷つく可能性があるのでダメ」。ついでにダメ押しで、市内の公的施設で木製フロアなら全部同じ判断と思ってくださいと言われました。

まあ、仕方ない部分もあると思います。床を傷つける可能性については、僕のほうからも伝えました(技によっては、縄よりもグリップが当たって公園の地面をえぐることもあったので)。今思えば、傷つけてしまっても「借りる前に伝えましたが……」と弁解するためのアリバイ作りでした。

逆に施設のほうも、「設備を損傷する行為」が起こる可能性をあらかじめ確認してきました。あちらもあちらで、危機管理としてのアリバイ作りをきっちりしていたわけです。

マットを敷くとか、打つ手はまだあったと思います。そこは信用問題。市民スポーツの推進といっても、効果よりも総合的にマイナスの印象なら難しいです。

信頼されるだけの下積みがあれば、施設も却下のアリバイなんて作らずに、こういう使い方ならいいですよ、と落としどころを見つけてくれるでしょう。今はまだ、「運」の側面や、「マイナーな個人」の信頼の低さが強いのかなと思います。

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予防線とか先手を打つことはいろいろありますが、アリバイという言葉がもつイメージのせいか、ちょっとテーマとして今ひとつ広がりませんでした。すみません。