とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

445 初速

今回は「回し方のこと」。

回し始めのスピードは大切だな、と改めて思いました。

実は、今回書こうとした話やイラストは、前回の後半(跳ばずに縄を回す練習の話)でまとめて書いてます。足の支えがあるので、体を支えながら回す感覚を身につけることができて、あとは、その感覚を持ったまま跳ぶことでうまくいくのでは …… と書きました。

これ、特にサイドスイングからの始まりでスピードをつけるのに使えます。最近、体調を崩したあと、今ひとつ感覚が戻ってこなかったSCCC系の感覚が、これで戻ってきました。

跳ばずにSCの部分だけ速めに回す練習を繰り返しました。そのうち、力は入れるけど腕ごと強引に回さないとか、縄の軌道も大きく回せばいいというものではないとか、ねらいどころが見えてきて、そのイメージを残したまま実際に跳んでみたら、ようやく感覚が戻ってきて、跳べました。


回し始めのスピード、つまり「初速」のどこが大切なのでしょうか。

1つには、途中からスピードを速めようとしても難しいからではないかと思います。

スピードを速めるということは、それだけ力を入れるということで、力を入れれば大なり小なり体のバランスが崩れます。しかも、「途中」となると、たいていは支えのない空中です。バランスが崩れれば、回し方にも影響が出ます。

それに比べれば、最初からスピードをつけるほうがそのまま勢いに乗れます。跳ぶ直前まで、わずかでも足の支えもありますし……。

何より、初速が速いかどうかで、技全体を回す時間に差がつきます。多回旋ですこしでも回旋時間を短くするのは効果大です。「うまい人はなんであんなに速く回せるんだろう」と感じるなら、当然、回旋のどこかが速いに決まっているのです。

そういうとき、全体的に …… ではなく、部分部分をクローズアップしてみるといいでしょう。僕はずっと感じていたのですが、上手な友だちと一緒に跳んでも、大会の動画を見ても、間違いなくS始まりの技の入りが速い。イメージ的には 259 半周ビハインド で描いたイラストのとおりです。サイドスイングと次のフォームがほとんどひとつながりで、音も1つにまとまって聞こえるほどでした。

自分の想定を超えているということは、自分が力不足ということです。つまり、そこだけでも縄の速さを追求できる余地がある。速く回したいなら、挑戦しない理由がありません。


ただ、僕には長いあいだ、思い違いがありました。

「跳ばなければ身につかない」

もちろん、跳ばずにサイドスイングからの入りの練習はしました。でも、実際に跳んで実践できなければダメ、という気持ちに押されて、身につけないまま跳んで回してきたように思います。

足の支えを受けながら、いや、足の支えを受けてこそ、安定した状態で回し方の技術を固めていけたところを、空中に見切り発車してしまったのです。

実は、上で 259 にふれたとき、そのころのイラストをついでに見ていたら、 264 跳ばなければ回せるのか  で、すでに「支え」の話を書いてました。そこでなぜ、初速や、そこからつながるフォームを定着させられなかったのか。

いつまでも地に足をつけて練習するのはみっともない。そんなプライドがじゃまをしていたのかもしれませんね。

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