■ 前後、左右、上下、どこが問題か?
今回は「交差のこと」。
回しやすい角度を作るにはどうしたらいいのか?
こんな話を春先から続けています。回し方のコツとは別に、グリップの角度を合わせる必要がありそう …… というところまで来ています。
単縄だと、足の下から頭の後ろまで、いろんなところに手を回します。それぞれ回しやすい角度があるかと思いますが、今回はごく普通の交差の話です。
自分のクセを例に出して書きます。
・腕を引きやすい = 縄を引っぱりやすい
・体が右に開きやすい = 縄が右にそれやすい
この2つのクセのために、交差はかなり苦手です。それを、グリップの角度という視点からどう修正するかが今回のテーマです。
まず1つめ、腕を引いてしまうクセへの対応。
これは、グリップの角度をすこし前に向けてみるのがいいように思えました。
2月くらいに、腕を引きがちな人はどうすればいいか考えたました。縄を前に押し出すとか、後ろから前に回すところで勢いをつけるとか、「前への力」がイメージされる話を書きました。引かないためには押してみる、とも言えます。
今回の「角度を前に」も似た発想で、グリップが前を向けば、腕も縄も引かれる余地が減ります。前を意識しているあいだは、後ろに行きづらいのです。
理想はグリップが水平・真横の状態で縄が張るのがいいように思えますが、引きグセがある人だと、水平・真横を維持できなくなります。水平・真横をめざしても「ハ」の字のように後ろにずれこむのがその人にとっての普通。ならば、始めから前を向けてはどうかという発想です。
たぶん、交差で引きグセがある人は手首を前に出すのが苦手です。グリップの角度を前に向けることで、手首も前に動かせて、可動域を広げることができる。そんな効果もあるのではないでしょうか。
次に2つめ、体を右に開いてしまうクセをどうするか?
実は、1つめの「グリップの角度を前に」で2つめもかなり対応できます。なぜかというと、人は前後を見ているとき、左右も見ているから。
このように、上・前・横から見たときに、前後・左右・上下のうち、2方向を視界にとらえて意識しているのです。なわとびだと、自分の手元を見るのは上から見た視界(図1)になります。上で書いた「グリップの角度を前に」は、図1のように、上から見た前後の調整です。
となると、同時に左右も見えています。グリップの角度を前に作るときの理想は水平・真横でした。左右の直線の話です。つまり、角度を前にするのと同時に、視界に入った左右もなるべく水平になるようにしたい …… というわけです。
僕の場合は、「腕を引く = 前後の問題」「体が横に開く=左右の問題」だったので、上からの視点(図1)でちょうど意識できました。なわとびには腕が高いか低いか問題もあるので、そういうときは前(図2)や横(図3)から確認することで気づける部分もあるでしょう。
これまで縄の軌道を3次元でイメージすることはよくありました。
イラストもいくつか描いてきましたが、交差(グリップの角度)でも見えてくるものがありますね……。
角度に気をつけて跳んでいるうちに、もう1つ、腕の引きで気づいたことがありました。次回は「引くと回すの違い」についてです。