今回は「ジャンプ力のこと」。
045 ジャンプを押さえていませんか? の続編のような話。
045は、前屈みや手の動きがジャンプの邪魔になるのでは?という話でした。でも、前屈みはともかく、何か技をするとなると、手の動きは避けられません。そんなときでも高いジャンプをするにはどうすればいいのか?というのが今回の話です。
まず結論。「ゆっくり跳びから入る」のをおすすめします。
僕自身の経験で言ってます。3重跳びにしても、3重あやにしても、ゆっくり2重跳びや、ゆっくりはやぶさを、その前に跳んでからつなげると、高いジャンプを保持しやすくなります。
改めて、「ゆっくり跳び」とはなんのことか?
高く跳んで、滞空時間を長くする跳びかたです。同じ2重跳びでも、高く跳べば滞空時間を長くして跳ぶことができます。
でも、縄を回す回数は、1回のジャンプで2回。当然、縄のスピードを遅くしないと、縄が回りすぎてしまいます。同じ2重跳びでも、普段よりもゆっくり回すから、ゆっくり2重跳び。こういうのを、ひっくるめて、「ゆっくり跳び」というわけです。
それでは、「ゆっくり跳びから入る」って、どういう跳び方なのか?
あらかじめ、ゆっくり跳びで、跳びたい技の高さを跳んでおこう、ということです。
たとえば3重跳びなら、「前跳び3回→2重跳び2回→3重跳び」という流れで跳ぶ人が多いと思います(回数は人それぞれですが)。この2重跳びを、3重跳びを跳ぶときのような高さで跳ぶのです。
3重跳びに合わせた高さだと、当然縄のスピードを遅くしないと回しすぎになります。つまり、そこで、ゆっくり2重跳びになるわけです。3重跳びのために、あらかじめ、ゆっくり2重跳びで3重跳びの高さを跳んでおく。イメージできるでしょうか。
高さがそろっていれば、あとは回すほうに意識を集中させるだけ。ゆっくり跳びで足の動作(3重跳びの高さでジャンプ)を先に済ませ、手の動作(3回縄を回す)に集中することで、跳びやすくなります。
もう気づいた人もいるでしょう。
この時点で、「高いジャンプ」ができているはずです。高いジャンプに合わせて流れを作っているので、きっとできるはず!
ちなみに、ゆっくり跳びなしだとどうなるのか。
2重跳びから3重跳びに移るときに、「いきなりジャンプする高さを上げる」人が結構います。学校で挑戦する子どもは、ほぼこのパターン。
これ、できる人は簡単にできます。ただ、それは、タイミングをマスターしているから、ゆっくり跳びをはさまなくても、すぐ3重跳びに移れるんです。
慣れていない人は、そこでつまずきます。
ジャンプに気をとられて回し始めが遅いとか、2重跳びより速く回そうとしてジャンプが中途半端になるとか……。跳ぶ高さが変わるというのは、タイミングが変わるということなんです。
まずは、ゆっくり跳びで高く跳んでみると、タイミングをつかみやすくなると思います。
僕も、3重あや(COC)はこれで成功しました。
とはいえ、そこから2回、3回と続けていくには、ジャンプ力そのものや、持久力も必要になってきます。まずは、成功した1回を「基準」にすれば、すこしずつ調整できるでしょう。そこから、2回め、3回めも見えてくるはず。
最初の1回のために、ゆっくり跳びは役に立ちますが、他にも、新しい技とか、連続技をのタイミング合わせで使うとか、まだまだ出番はあります。実際、大会の動画を見ていると、大技の前に、ゆっくり跳びでワンクッション入れている選手を結構見かけます。
ゆっくり跳びを制する者は、高さを制する。
そう思いませんか?