とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

091 滞空時間=縄の音

今回は「3重跳びのこと」。

このブログで一番見られている記事は、3重跳び関係の記事のようです。実際に役に立っているかはわかりませんが、今回もヒント的な紹介です。

3重跳びは説明用の一例だと思ってください。
2重跳びでもはやぶさでも、多くの技で使える話だと思います。


縄の音がしているあいだ、跳ぶ。

これです。当たり前ですが、3重跳びは縄が3回回るまで空中にいなければいけません。この「縄が3回回る」って、具体的にどれくらいの時間でしょうか? だいたい1秒くらいだと思いますが、跳びながらコンマ何秒で数えて合わせるのはたぶん無理です。

もっと簡単に、感覚でわかる方法、それが「縄の音」です。

3重跳びなら「ヒュヒュヒュン」でしょう。音を、頭に浮かべることができましたか? できたら、「ヒュヒュヒュン」という音のあいだ、ジャンプして空中にいる動きをイメージしてください。

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イメージできないときは、近くの跳べる人や動画で、3重跳びの音を聞きましょう。その音でマネをするといいと思います。3回縄の音が聞こえるあいだ跳んでいること。3重跳びに絶対必要なことです。

このイメージを持っていないと、「とにかく高く」「とにかく速く」という勢いだけになります。「うまく跳べる姿」を描けていないので、目標なしでやみくもに跳んでいるだけになってしまいます。

漠然と、ではなく、音に合わせて「跳べている」姿をイメージしましょう。
イメージだけでも、かなり上達します。

そこまでできたら、縄なしで、上のイラストのようなイメージで、縄の音のぶん、跳べるか試しましょう。縄なしで試すのが大切です。縄を気にせず、ジャンプと手の動きに集中できます。空中で崩れそうになる体のバランスをとったり、ジャンプと着地のタイミングを考えたりして、「理想」に近づきましょう。

ジャンプの代わりに、「つま先で背伸びする」だけでもいいです。


音は、連続で跳ぶタイミングをつかむのにも使えます。

1回は跳べても、もう1回が難しいのは、1回めを跳んで、次の1回を跳ぶまでのタイミングをうまくつかめないからです。

上の「縄の音のあいだ跳ぶ」を、2回3回と繰り返してイメージしてみましょう。跳び終わってから次を跳ぶまでの「間」があるはずです。

 ヒュヒュヒュン  //  ヒュヒュヒュン  //  ヒュヒュヒュン

上の「//」が「間」です。実際に縄を回していると、あせってタイミングをとれないかもしれませんが、音のイメージなら「//」で間をとりやすい(タイミングを合わせやすい)ので試してみてください。

縄を持たずにこの練習をするには、「ももを叩きながら跳ぶ」のもいいそうです。縄を回す代わりに、ももを叩いて、リズムやタイミングをつかむわけですね。イメージの音と同じリズムでももを叩けば、成功にぐっと近づくでしょう。

3重跳びの前に予備跳躍で2重跳びを跳ぶとき、ゆっくり跳びで合わせるといいと以前書きました。ゆっくり跳びも、縄の音を基準にすると、跳ぶ高さを決めやすいと思います。(参考:055 ゆっくり跳びを制する者は、高さを制する


最初にも書きましたが、3重跳び以外でも使えます。

最近、初めて3重あや跳びを2回続けて跳べました。OCO2回ができたり、OCO→COOができたり……。初めて2回めに届いたとき、直前に考えたのが、上で書いたイメージでした。

3重あやだと、交差が入るぶん、「ヒュヒュヒュン」が「ヒュンヒュンヒュン」になって滞空時間が増える感じでしょうか。文字だとわかりづらいですが(笑)、イメージした音のあいだだけジャンプしてみたら、あっさり通ってしまいました。

1回跳べると、「3重あやするあいだの高さ」がわかります。これが「2重跳びするあいだの高さ」でも、「はやぶさするあいだの高さ」でも同じです。

そんなわけで、僕自身の成功をもとにしているので、カン違いでない限り、使える発想だと思います。この方法で、壁を越えた人が出てくればうれしいです。


最後におまけの話。

以前、ジャッジ講習の余談で、こんな話を聞きました。去年の世界大会で3重跳びを500回以上跳んだ選手がいるんですが、この選手がひっかかったのは、500回に到達したときに観客席からあがった大きな歓声で縄の音が聞き取れなくなったから……なのだとか。

縄の音って、大切ですね……。