とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

175 「つかみ」となわとび体操

教育系の冊子に、雅楽師の東儀秀樹さんのインタビューが載ってました。

小学校などで講師をするとき、まず子どもが歌っている(聞いている)歌を質問するそうです。『妖怪ウォッチ』と答えが返ってきたら、篳篥(ひちりき)で実際に演奏してみせるとか。

ただ「雅楽とは……」と説明を始めるより、はるかに興味津々になってくれるそうです。

いわゆる「つかみ」ですね。最初に何をやってみせるか。導入でどれだけ相手の気持ちをとらえられるかで、そこからの流れは変わってきます。授業、宣伝、プレゼンテーション、ショー、パフォーマンス……。いろんな場面で言われることです。


なわとびなら、どんなことができるでしょうか。

上の例に合わせると、『妖怪ウォッチ』の曲でパフォーマンス?

リズムに合った演技、見たこともない技で、一気に観客の心をつかむ。コンサートでも、あいさつより先に、登場するなり開幕の1曲が始まる、という演出は多いです。

なわとびで「つかみ」が重要なのは、「腕前の証明」みたいな部分もありそうです。

みんな小学校で知ってる運動ですから、そのイメージを超えるものが出てこないと期待はずれです。少なくとも、自分よりうまくなければ「な~んだ」になりますよね。

そういう意味では、単縄のマイナーさは、それだけで有利です。リズムなわとびだって珍しいくらいです。「見たことない」だけで、十分な「つかみ」になるでしょう。

場面と一口に言っても、相手は子どもなのか大人なのか、子どもでも、保育園児なのか小学生なのかだけでも、すこしずつ変わってきます。BGMに使う曲だけでも、はやりの曲がすこしずつ違ってきます。

どういう相手への「つかみ」なのか、と書いていくだけで、かなりの内容になるでしょうね。


パフォーマンスのことを書きましたが、指導のときはどうでしょう。

すごい技を見せても、普通のなわとび教室だと、スゴ技ができるようになるわけではありません。腕前の証明だけで、本来の目標とはズレてます。指導の場面では、まず子どもが参加できるような、でも、やったことのないような体験がおもしろそうです。

学校のクラブや児童館では、なわとびじゃんけんをやりました。足でグー・チョキ・パーを作って跳んで、勝負します。でも、珍しいのは最初だけで、何度もできません。ゲーム形式にしても、「またじゃんけん~?」と子どもがあきます(笑)。とりあえず体ほぐしね、と言うと、まいっかとばかりに始めるんですが。

じゃんけんチェイサーと勝手に名づけて、後出しじゃんけんにアレンジもしました。相手の出した手(足)に勝つように跳び続けます。これ、実はグー・チョキ・パーの順番で跳べば勝てます。ネタがばれたらもうおしまいです(笑)。

そこから技や技術の説明につなげて、いつのまにか指導になっていると、子どもも退屈しないかな……というのが、とりあえずの理想ですね。パーの跳び方からカブース系を教えてみたり、手と足のタイミングのとりかたを教えてみたり……。

こんな感じで、いろんな「つかみ」をストックしておかないと、序盤から間が持たないことを、特に、授業ではない児童館では毎回感じています。


今考えているのは、準備体操したら、「今度は準備体操をなわとびしてみよう」です。

屈伸(くっしーん)。しゃがみとび&のびあがりとび。
伸脚(しんきゃくー)。足を伸ばして跳びます。
深くー。これは体がやわらかくないとケガしそうな……。

といった感じで、ついでに1、2、3、4の声に合わせることでリズム跳びの練習や、リズム跳びへの導入に使うこともできます。「今、数えながら跳んでたよねー」みたいに。

……実は書きながら思いついただけなんですが、それなりに使えそうな気がしてきました(笑)。

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ちょっと気をつけたほうがいい動きもあるものの、気分は乗る、かもしれません(笑)。