とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

183 1をつかむ話

■ たとえばあやとびはどこで1回?

今回は「1回のこと」。

「側振とびって、どこで1回?」

去年のなわとびシーズンに、子どもに聞かれました。

「え? 横に回して、交差で跳んで1回でしょ?」
「だよね!」

今まで、そういう疑問を持ったことがありませんでした。その子も、返事からして、もともと僕と同じ基準で1回だと思っていたのだと思います。それ以外の1回なんて、あまり考えてませんでした。

でも、意外とあるみたいです。


ちょうど同じころ、まっちゃんのブログで、こんな記事がありました。

「あやとび」の正しい数え方をお教えします。実は正式なルールが存在しません。|なわとび1本で何でもできるのだ

これまたびっくりでした。子どものころも、学校で働くようになってからも、まっちゃんのブログにある「「前回し→交差回し」のセットで1回」のあやとびが当然な中で過ごしてきたので、「ジャンプの回数でかぞえる」ところもあるのにびっくり。

そりゃあ、覚えるために技を分解して1つずつ身につけることはよくあります。でもですね、だからって交差と開くをそれぞれ1回で数えて、回数まで分解しちゃだめでしょ!……みたいな気持ちでした(笑)。

数え方の違いで跳ぶ難しさが変わるので、習熟度に合った数え方(跳び方)を選ぶのも効果的だそうです。

とはいえ、ほとんどの学校(先生)は、前回し+交差回しのスタンダードな数え方だけを基準にして終わりだと思います。スタンダードな基準があれば、ひとまずそれを設定して、「基準に従えば安心」みたいなところがありますからね。


その一方で、できない子、できる子の次の手立てを欲しがっているのも事実。

どうやったら跳べるようになるか、どうやったら跳べた子がヒマにならないか、という課題は、なわとびに限らず、いろんな場面で見られます。

やりかたの1つとして、数え方を使ってみるのもおもしろいでしょう。始めから手段として使うのではなく、困ったときにいくつかあるひきだしから取り出す程度で……って、その「いくつか」を持っている時点で1歩上かもしれませんが(笑)。


最初の側振とびの数え方を聞いた子は、基準自体が不安だったのだと思います。

せっかくなわとびカードに回数を記録したいのに、ちょっとわからない状態。サイドスイングして交差で1回、が普通の数え方だと思いますが、普通は普通なりに基準を示して「1回」がはっきりすることで、1回をめざす子や、何回跳べるか挑戦する子が生まれるでしょう。あの子はどちらだったでしょうか?

学校では、なわとびカードの回数や技の種類が最終目標になりがちで、数え方は1つ決めればそれでおしまいです。あまり広がる余地はありません。機会があれば、数え方だけでもいつもと違うなわとびが見えることを、伝えてみたいですね。

イラスト:「全日本大会のルールにあやとびはない!」と劇画風の顔で伝えるとびまるさん。書き文字で、あるのはCとOだけ! それを聞いた子ども2人が、やっぱり劇画顔でびっくりマーク。

あやとびインパク

まっちゃんのブログにあった話も、こんなインパクトがあれば、普通に話すよりおもしろくなるかもしれません(笑)。