今回は「後ろはやぶさのこと」。
すこし前、学校で後ろはやぶさに挑戦している子がいました。
教えて、と言われて、見るとかなり怖がって跳んでました。
これ、すごくわかります。僕も子どものころ、練習でよく顔に当てました。1回当たると痛みで一気に怖くなるんですよね……。当時の自分の跳ぶ姿を見たことはありませんが、きっと同じようにすくんでいたと思います。
怖がるなと言ったところで、顔に当たったら痛いものは痛いにきまってます。教えてなんとかできるのは技術的なこと ―― というわけで、いくつか考えました。
まず原因。手を横に開くから顔に当たる。
その子はこの影響だと思いました。
後ろはやぶさは、ほとんどの子がCO(クロス→オープン:交差→開く)で跳ぶので、交差から開くタイミングがあります。苦手な子は、ここで手を横に開くことが多いです。
2重とびもそうです。横に手を開けば縄が張って、縄の張りをつかみやすくなるので、フォームがここに落ち着く子が出てきます。
交差がまだ得意ではないせいもあるでしょうね。早く交差から解放されたいから、早めに手を開いてしまうのではないか、とも思いました。
これをやると、縄の軌道はこうなります。
開くのが早すぎる影響も入れてみました。こんなふうになるんじゃないでしょうか。
ちょうど3年前くらいに、顔に当たりやすい回し方(手の位置)を考えたことがあります。
3パターンあって、「手が下すぎ」「手が開きすぎ」「手が後ろすぎ」のどれかが多いと思っています。
怖がっている子で「手が下すぎ」はあまりありません(苦手な子はだいたい手が高い)。「手が開きすぎ」がまさに今回のケース。「手が後ろすぎ」も、縄の軌道としては「開くのが早すぎる」に近いですね。
こうして顔に来るわけです。
対策の1つは、「手を開くタイミングを遅らせる」だと思います。
上のイラストのように、縄が下から顔に向かってくることが多いので、顔より上まで縄が行ってから手を開けば、ほぼ顔には当たりません。
後ろ交差を開くとき、縄は体の前から後ろへ回っていきます。その前に、「足の下を通った縄を上げる」という流れがあります。これが上がりきらないまま手を開いてしまうので、本来頭の上を通るはずの縄がそれより低く(つまり顔の高さくらいで)回ってしまうということでしょう。(右のイラスト)
ただ、これだと、恐怖を避けるだけで跳べる技術につながるかはあやしいです。練習で、後ろあやや後ろ交差2重を試すのもいいかもしれません。
後ろあやは、交差から開くところだけ縄を速く回してみます。後ろはやぶさをゆっくりにするのは難しいので、後ろあやにレベルを落として、交差から開くところだけ部分練習してみるわけです。
後ろ交差2重は、子どもにとっては後ろはやぶさより難しい技ですが、交差を開かなくていいぶん、怖くはないのがポイントです。はやぶさとは別物に見えても、2回目の縄をどう感じ取るかは同じ。交差2重の成功より、2回旋目の感覚を知ろう――というところでしょうか。
後ろはやぶさは、普通の小学校ならほぼ最高レベルの技です。
軽く検索するだけだと説明したページは少ないです。技が難しくなるほど、言葉ではなく自分で感覚をつかむ必要があるのかもしれません。そこに加えて顔に当たる視点(?)から書いてあるページはまず見なかったので、書いてみました。
「顔に当てないように回せれば跳べるようになる」なら理想的なんですが……。