とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

412 縄の長さはみんなのため

今回は「縄の長さのこと」。

縄の長さは跳ぶ前の準備として大切です。

長すぎると回すのが大変だし、短すぎれば足に当たる。

この調整があるとないとでは、跳びやすさに始めから違いが出ます


学校のクラブでは、毎回技のプリントを配ってきました。

実は、最初に配るプリントは「縄の準備」プリントです。たいていの子は冬以降、ひさしぶりに縄を出しますし、新しく買う子もいるかもしれません。

そこで、縄の長さや、ついでにクセのついた縄を直す湯せん(熱いお湯につけること)をプリントで伝えて、クラブで実際に跳ぶまでに調整してもらいました。

こういう話は、一見、子どものために思えますが――。


教える側のためでもあります。

いろんな場所で子どもとなわとびして思ったんですが、縄の長さが合っていない子は、それだけでうまく教えられません。その子の本来の実力ではないからです。わざと制限をかけているのと同じ。

裏を返せば、教える側も「縄の長さが合っていることが前提で教えている」のです。

タイミングだとか、フォームの改善だとか、技術的な指導のひきだしがどれだけあっても、縄そのものがダメだと技術の話以前の問題です。たとえば、ちょうどいい縄と長すぎる縄では、それだけで回ってくるタイミングが違うので教えることも変わります。

その調整で時間を取られることも問題です。

授業にしても休み時間にしても、なわとびで子どもに関われる時間は限られています。できれば、1人でも多く教えたいし、一緒に跳ぶ時間がほしいです(一緒に跳ぶだけでタイミングを覚えることもできます)。

でも、長さ調節が必要になると、もうそれだけで時間を奪われます。

時間は、あれば使い道がいくつも生まれます。時間を奪うということは、いろんな子にいろんな教え方をするチャンスを奪うも同じ。教える人だけでなく、他の子にも影響があるとさえ言えます。

この話は、縄を持たせる側の「意識の差」に行きつくので、完璧は求められませんが……。


ちなみに、縄の長さは回すときの手の位置を考えるとわかりやすいです。

f:id:tobimaru-jdr:20190606220917j:plain
回すときの手の位置で縄を足で押さえて、そこから足の下に余裕が持たせたい長さだけ上げる。実際に回すときのことを考えているので、考えられた長さに見えます。

でも、いわゆる「縄を踏んで胸から腰の高さくらい」も結果は似ていて、理屈抜きでシンプルな言い方だと思います。上のような説明をうまく伝えられず、相手を混乱させてしまうくらいなら、シンプルなほうがいいとも言えます。