とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

413 長さを技術でカバーする

今回も「縄の長さのこと」。

前回、縄の長さの話を書きつつ、学校で子どもとなわとびしていて気づいたこと。

長い縄でも、技術で回せてしまう子はいる。

この季節、休み時間に子どもとなわとびしていても、子どもは自分の縄を持っていません。シーズンじゃないので……。

それで僕の縄を貸すことが多いのですが、低学年の子にとっては長い縄もあって、回しづらそうにしているのを見ます。そんな状態で、どんなふうに跳ぼうとするのかと思って見ていると、なんとかなるかならないかは技術しだいだと思えました。


当然、どの子も縄を引きずっています。

小さな体に対して、縄が長さ的に余っているのだから仕方ありません。なんとか縄を前に持ってくるものの、縄が長すぎて、足の下まで縄を通すのにもたつくのでジャンプのタイミングも合いません……。

ところが、そんな縄でもうまく「合わせて」しまえる子もいるんですね。

・腕を開きぎみにして、すこしでも縄の張りを作る。
・縄が回ってくるまで、跳ぶタイミングを遅らせる。

これをねらって成功させて、最後は跳んでしまえるのです。

素直にすごいと思いました。見た目は縄が長すぎてもたついているようにしか見えませんが、実は、不利な条件を可能な限り改良しているのです。

技術や感覚を持っている、ということでしょう。

たぶん、自分の縄ならもともと跳べる子で、跳べたときの感覚を呼び起こしているのだと思います。言ってみれば、成功経験の強みです。


縄の長さに関わらず、「縄を作る」ためのヒントでもあるなと思いました。

腕を開きぎみにする=縄を広げる、というのは一長一短がありますが、縄を張る、縄を作るといった経験のためには、やって損のない動作です。一長一短なら「長」。

ただ、「短」もあって、普通の縄で腕を広げれば縄が高くなります。また、3重あやの1つであるOCOみたいに開いて閉じてを繰り返す多回旋だと、広がった腕では動きが大きすぎて、着地までに回しきるのが大変になります。

結局はどこかで、横に広げる張力的な張りから、縦に広げる遠心力的な張りを作らないと苦しくなるわけですが、長い縄でも、横に広げれば縄の張りを知るチャンスになる、という気づきではあると思います。

もともと条件が不利なので、普通に跳ぶならベストな技術ではないかもしれません。そんな中でも、必要な技術は含まれているのかも……というお話でした。

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実際こんな感じでした。よく見ると縄がぶつかりそうですが、小さな子だと距離感おかまいなしです。そこだけは、技術でカバーするのは難しいのかもしれません……。