今回は「2重とびのこと」。
前回、ジャンプの話を書いて、子どもに教えるときに活用できないかと思いました。
特に2重とび。
学校で自由に跳ぶ時間になると、大半の子が2重とびを跳びだします。できばえにもいろいろあって、余裕を持って跳べてる子はいいのですが、けっこう力ずくで跳んでいる子も見ます。
たぶん、そういう子に、ジャンプの話は役に立ちそうです。
力をこめたときがジャンプの頂点になってしまう、と前回書きました。
縄を回す力を入れることでジャンプの勢いが止められて、ジャンプが終わってしまうのではないかと思うのです。これを2重とびの話にすると、縄は勢いよく回しているけれど、ジャンプにブレーキがかかっている子の姿が思い浮かびませんか?
ここで「もっと高く跳ぼう」と言うのは簡単です。
それだけで、縄の勢いそのままに高く跳んで、「これだけ余裕を作れるのか!」と1つステップを駆けあがってしまう子もいるかもしれません。
でも、ジャンプのブレーキに陥っている子は、だいたい、回すことだけで必死で、ジャンプまでなかなか気を回せないと思うのです。上で「力ずく」と表現したのも、そのへんのイメージがあります。
なので、「ジャンプにブレーキがかかっていることを教える」のが1つの手です。
もし回せる力があるなら、あとは滞空時間だけ、という状態なんです。今必要なのは、ジャンプ→力を入れるの順だということ。ここが伝われば、まだきれいなジャンプと言えないにしても、高さは変わるはずです。
ただ、このとき、気をつけないといけないのが、「跳んでから回す」ではなく、「跳んでから力を入れる」であるということです。
跳ぶ前、足が地面についているときに、先に縄は回っているのです。
そうでないと、いくら大きくジャンプできても、そこから思いきり2回回そうとしているわけで、バランスも取れないし、回す距離も大きくなってたいへんです。
359 跳び上がりながら手を叩く でも書きました。
前回の話をからめれば、跳び上がったところで初めて回す力を入れるので、ジャンプの頂点から回しはじめることになります。まさに、359 で書いた、落下時間=回す時間。滞空時間の半分しか使えません。
なんとかなる可能性もありますが、2重とびの技術がこれくらいの段階の子だと、落下時間だけで2回回せる力があるかというと、あやしいです。
跳び上がりながら回しはじめて、足の下で一番力が入るようにすると、縄はどこを通るのか、どこで力を入れれば通りやすいのかを知るチャンスになると思うのですが……。
これは、4重とびが跳べない自分自身でも見つめ直したい部分ですね。