■ 回す空間を意識しながら、勢いよく
今回は「SOOASのこと」。
SOOASって回しやすい……。
6年以上、挑戦したこともなかったこの技を、今はそんなふうに思います。
ちょっと跳べるようになっただけで気の早い感想かもしれませんが、最初は「なんとなく」思っていたのが、最近は、自分なりの理屈がきれいにはまった実感になってきました。
ポイントは、勢いと、足の下の余裕です。
1レベル落としたSOASと比べて考えると、なぜかSOOASのほうが勢いよくASに入りやすいです。1回旋多く回そうとしているのだから当たり前なんですが、ASに入る前の状態が、けっこう違うんですよね。
SOASは、多くの人が最初SASOと間違えるくらい、「すぐにASの形に入る」技です。(ASの形に入ろうとした1回旋目はまだO、ASになってから2回旋目が通ってASなので、[ S→O→AS ]の順)
SOASだと、実質、サイドスイングのあとですぐに空中でかがまないといけません。僕の場合、縄を回す動きに集中できなくて、縄の勢いが弱まりがちです。ASの姿勢になりながら、ふわっとした感じでしかOが通らない経験は、だれでもあると思います。
これがSOOASだと、SOで勢いがつきはじめたところでASの姿勢になりながら2つめのOを通すので、SOASのときより力強くASに入れます。まずはここが、「SOOASは勢いがあって回しやすい」と感じた理由と、そのメカニズムです。
続いて足の下の余裕の話。
これも勢いが関わってます。上で書いた「SOASはふわっとした感じになりやすい」を前提で考えると、SOASの足の下の空間へは、たとえ大きく跳んで広く空間をとっても、勢いがつきません。腕の動きも、大きくなりがちです。
大きく腕を入れることが必ずしも悪いわけではありませんが、動きが大きいとき、足の下は、広いようで余裕がありません。勢いが弱いので、手を大きく動かせるように広くしているだけ …… といった感じでしょうか。
SOOASは、1回旋多く勢いをつけているので、足の下に手が入るときには「叩きこむ」ように手が動きます。SOASより素早くASの姿勢に入っている、と言えます。素早いぶん、ASの形を作るのが遅れずにすみます。当然、縄も速く回ってくれるので、勢いよく技が完結します。
こうなると、1回旋多い難しさが、かえって余裕を持って技を跳びきれるメリットに変身します。それで「SOOASは足の下で余裕があって回しやすい」と思うのです。
強く浮かぶイメージは、「足の下の空間に叩きこむ」です。
何度も書いたように、勢いがあるから、叩きこむなんて表現が使えるんですが、実は、大切なのは「空間」だと思います。
足の下の空間を感じられるから、そこへ縄を勢いよく通せる。
この感覚が、なんとなくSOOASができたころから、だんだんと鮮明になってきました。つまり、SOO……の時点できちんと跳んでいること。さらに、最後にASに入るときの足の下の空間をとらえていること。
これができる(ねらえる)から、SOOASをねらったイメージで跳べるのかなと思いました。できる人は、ここからさらに、縄の動きまで意識しながら跳べるんでしょうね。
足の下の空間認識の大切さは、この技だけの話ではありません。次回はその技術について書きたいと思います。