とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

463 跳んだあとも回す

今回は「回し方のこと」。

腕を引きすぎてしまう人の話、その3です。

前回、前々回と、共通して書いたのは、腕を引きすぎてしまう人は回す技術がまだ足りないということです。

縄が回ってくれないから、どこまでも腕を引いてしまう。
どこで腕の位置を止めればいいかわからないから、限界まで引きつけてしまう。

もっと縄を回せれば、解決する話です。単純なようで難しい部分ですが、ここを良くしたら変わるかもしれないポイントを1つ、書いてみたいと思います。


それは、前回しなら、後ろから前に回す部分です。

縄を回す問題は、たいてい、体の前で起こっています。腕を引きすぎる問題もそうで、この場合、体の前で縄をとらえられていないので、腕を引いてでも引っぱってしまうのです。

なわとびって、縄が回ってきたところで初めて力を入れるイメージがありますが、実は違います。回しはじめた段階で、すでに縄のコントロールは始まっているのです。体の前に縄が来たときに動かしやすいかどうかは、そこで大きく決まります。

ここを意識して回すと、体の前で縄をとらえきれない問題にいくらか解決が見えてきます。

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縄をとらえられないのは、回る縄が「軽い」から。どこかで力が入っていないのです。たとえば、交差に入るのが苦手な子は、交差に入るときに縄がふわっとしています。そこで、縄のコントロールが途切れているということです。

一度浮いた縄をとらえるのは、簡単ではありません。結果、縄をとらえられずに、限界まで腕を引いてしまう――。

それなら、後ろから前へ縄を回す段階で、縄を大きく回してでも「重み」を作って、縄をとらえやすくしたらどうでしょうか。

460で、手で技の形を作る前に、縄がちゃんと回っているかが大事と書きましたが、ポイントはそこに近いです。手の形やタイミングを教えれば跳べるなら、縄はそれなりに回っていると思います。でも、腕を引いてしまう子は、まず縄が作れていない可能性を考えたほうがいいでしょう。そのための、「後ろから前の段階ですでに回せていること」なのです。


これは連続で跳んでいるときも同じです。

この場合は、跳んだあとも縄の動きを意識して回せているか、がポイントになります。

実のところ、前とび2回 → 交差の流れであやとびに入るときだって、連続とびです。ここでいう前とびは、いわゆる「予備跳躍」で、これで縄に勢いをつけられるからあやとびに入れる、という子もいるでしょう。

それって、交差の前 ―― 後ろから前に回す段階で勢いがついているということですよね。

この技術が大切なんです。予備跳躍の前とびで縄が足の下を通ったあとも、気をゆるめずにまだ回す。そうやって後ろから前にきれいに縄が回ってくるから、体の前で縄をとらえやすくなるのです。縄さえとらえてしまえば、それ以上は腕を引くこともなくなっていくでしょう。

多回旋でも同じです。

2重とびだと空中の話。たとえ空中でも、後ろから前に回す動きは確実に存在します。1回旋目が通ったら、前に縄を回すまでの半回転をゆるめません。これだけで、縄の勢い・縄の重みが変わります。


なわとび指導者のふっくんの「縄を回し続ける」という言葉を、僕は何度か引用しています。

体の前は意識しやすいですが、それは縄の1回転の半分にすぎません。残り半分は、今回書いた後ろから前の動き。ここも回せて初めて1回転になります。

そのとき初めて、「縄を回し続ける」が生まれるのかなと思いました。