とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

487 初めての4重とび

今回は「4重とびのこと」。

 ついに踏んだ。

 結び目を2つに増やして、着地でつま先に縄が入ってきたのがついさっきのこと。結び目3つはさすがに縄が短くてどうかと思ったが、回せたうえに、ついに足の下まで縄が入ってきた。

 回せている。

 縄が短いぶん、「縄の中心が近い」気がする。重みをとらえられているし、手の振りもなめらかなのがわかる。握る力をわずかにゆるめて可動域を広げても、回す手が縄とはぐれることがない。縄を感じながら回せているのか。

 アメリカグリップの縦に重なる溝に、ゆっくりと指を押しつけた。まだ体は、今跳んだ感覚を覚えている。事前の2重とびで跳んだ高さ。予備跳躍で引っかからないだけの縄の縦の余裕。そして、思いきり回したときの今までにない短い回旋。

 さっきはおっかなびっくりだった。だから、まだ力を入れる余地はある。もうすこしいいジャンプができるかもしれない。何より、ちょうどうまく部品がはまったような体の感覚が消えないうちに「跳びたい」という気持ちが抑えられない。

 縄を浮かせ、体は、今からの期待を裏切らないように、背筋を伸ばした。

 前とび3回。縄の短さを感じ取る。
 2重とび2回。肩が空中に上がるように。手は固めすぎずなるべく円を。そして、

 4重とび!

 ジャンプを殺さないように肩から上の感覚を維持したら、あとは手を回すだけだった。4回なんて数えていない。今自分が空中で回せる限界の回数を、回しきった。

 着地したとき、縄はなかった。足の下を抜けた。跳んだのだ。


初めてビニールロープで4重とびを跳べました。

すこし感情を入れてみたくて、小説風に(?)書いてみました。

踏むところまで届いて、可能性は感じていました。上で書いたように、回す力や跳ぶ力をまだ出せる余地があると感じていたからです。自信のない自信でしたが、着地で体を痛めることもなく、なんとか跳びきれました。

40歳までには4重とびを …… なんて思ってこの2、3年挑戦していましたが、結局、40歳を過ぎてからの初成功でした。逆に、価値あるものになったのかもしれません。


うまくいったのは、縄の結び目を増やしたからだと思います。

4重とびに挑戦しはじめたころには結び目作戦が紹介されていたので、取り入れていました。(縄に結び目を作って短くすると、回る距離が短くなるので速く回せる ―― というメカニズムだと思います)

ただ、結び目を増やすことができませんでした。短くするとすぐ引っかかってしまい、対応できなかったからです。それを結び目3つまで短くできたのは、最近、グリップの角度や縄の引きすぎに気をつける感覚がわかりはじめたおかげだと思います。

今なら、縄を短くしても対応できるかもしれないと試してみたのが正解でした。実際計ってみたら、結び目3つで6~7cm、短くなっていました。これくらい短くなると、縄のとらえやすさが段違いで、回したぶんだけ縄に勢いが乗ると言っても不思議ではないくらい、縄を回せた気がします。

縄を短くするというより、短くした縄を跳べるようにするのが、ヒントだったのかもしれませんね。過去の失敗で、縄を短くすることに、気持ちにストッパーがかかっていたのだと思います。

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跳べた瞬間よりも、つま先に縄が入ってきたときに可能性を感じた瞬間のほうが記憶に残っています。重い扉が、初めてわずかに床を削って動いたような、そんな一瞬でした。