今回は「ひざのこと」。
雨が続いて跳んでませんが、書くきっかけはいろいろあって――。
というわけで、電車が舞台です。通学、通勤と、これまで電車に乗ることが多く、「いかにバランスよく立つか」は長年にわたり難問(?)でした。自分ではちゃんと立っているつもりでも、案外、ちょっとした揺れで体が揺らぎます。
なわとびを続けるうちに、体幹とか、踏みしめとか、体の感覚を気にするようになりました。電車で立っていると、ときどき、どういう体勢がベストなんだろう …… と思うことがあります。
最近、ひざを小さく曲げるといいことに気づきました。
揺れの衝撃を、ひざを曲げて緩和できるのです。衝撃を吸収するというより、揺れを受け止めて、最後は床をしっかり踏みしめて、体勢を整える感じです。
ただ足で支えるだけではダメなんです。学生のころ、内股ぎみに力を入れるとわりと揺れに耐えられるのがわかって、長年そうしてきました。でも、揺れの方向によっては崩れてしまうこともあります。どこかで、揺れをやわらげないといけないのだと思います。
昔から、車掌さんがしっかり立っているのが不思議でした。
車内で切符を売るときなんて、携帯型発券機(?)の操作とか、つり銭を財布から出すとか、走行中なのに両手を使いながら平気で立っているのです。足幅をすこし大きめにとっているかたが多いように見えます。慣れもあるのかもしれませんが、腰を落ち着けているように見えるので、ときに膝を使って揺れをやわらげているのかもしれません。
逆に、僕は今まで、ひざが伸びていたと思います。
ひざの後ろ(ひかがみ)を後ろに突き出すような体勢。これだと、後ろ半分への揺れは足を踏みしめて耐えられますが、前への揺れには弱いです。ひざを曲げると、当然、前の揺れにはクッションになりますし、体は気持ち前に傾くので、後ろの揺れにも対応できるのです。
……なわとびどこいった! という雰囲気になってきたので、そろそろ連結します。
なわとびでも、ひざの使い方は大切なのだと思います。
着地よりもジャンプで、ですね。ジャンプの前にひざを小さく曲げて跳ぶのが普通。というか、ひざを曲げずに跳ぶのはけっこうハイレベルです。
ひざを曲げると、前々回の走り方の話でふれた「反発力」が地面から返ってきます。膝を曲げたぶんの重みが地面に加わるからです。その反発に合わせるように体を上空へ浮かせる。これが跳ぶということでしょう。
問題は跳んだあと。
昔、連続で3重とびを跳んでいるのを見てくれたかたが、「思ったより脚を曲げずに跳んでますね」と言っていました。自分では、言われて初めて気づいた(というか、そこまで自撮りしてなかったのでわかってなかった)姿勢でした。
この姿勢を、「足が残っている」という見方をすると、前に書いた肩から上を持ち上げるような跳び方をしても、下半身がついていかずに中途半端な状態だと言えます。極端な話、下半身がおもりのようにジャマをしているとも言えるでしょう。
上半身が上がったら、下半身も合わせて上げて「全身の跳躍」につなげるのがベスト(?)だとしたら、跳びあがってからひざを曲げるのは、足を上空についていかせる力になるように思えました。
電車の話だと、「着地のこと」に到着しそうな印象だったでしょうか。
実際に車内で立って、揺れをひざで受け止めると、なわとびを続けている身としては、そのあと跳びあがってしまいそうな空想に、ほんの一瞬ひたります。揺れに対してひざが伸びていた自分を思い返して、なわとびと重ねたとき、浮かんだのは、跳ぶときの姿でした。
というわけで、次はSOの話です。