とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

504 出現率の悪魔

■ TSのポイントが高くなる特別ルール

今回は「ルールのこと」。

前回、TSの話を書いて思い出したことです。

TSは、CLやASほど人気がないと感じてます。技術的に見たとき、背面交差3種類の中で交差しづらいからだと思います。

CLやASは、ほぼ必然的に体を縮めるフォームですが、かがみさえすれば腕を押しこむ余裕があるとも言えます。一方で、TSは上半身だけで(上半身を伸ばしたまま)背面交差を作らないといけません。そのうえ、縄も通さないといけないので、いくつもフリーに入れている人でも、けっこう体を縮めています。体を縮めなければいけないほどにはリスクが高いということでしょう。

CLやASが、多回旋にしても、クロスクロスにしても、かがんでいるぶん「接触範囲が小さい」と考えれば、引っかかるリスクは低いでしょう(回しやすいかどうかは別として)。そういう意味で、TSは人気がないと思っていました。


これは、TSの「出現率が低い」と言い換えられます。

後ろTS/TSとかSEBOTSあたりは、フリースタイル競技では、CLやASの同じ技に比べればいかにも少ない感じでした。そういうのを見ていると、TSがCLやASと同じ点数なのが不思議に思えてきます。

ルールを細かくしたらきりがありませんし、2つの腕に制限がある以上どれもレベル2(違ってたらすみません)なら仕方ないでしょう。むしろ、上の不思議は、「出現率が低いのに同じ点数なの?」という疑問ですね。

そのぶん、難しい技として別の評価ポイントで加算されているのかもしれません。でも、そうでなければ、案外、TSを入れるメリットは少なそうですね。昔、雑談でそんなことを話した覚えもあります。

と、いろいろ考えているうちに、違うルールが空想で浮かびました。


「技の出現率」で配点が変わったらどうなるか?

仮に背面交差3種類にしぼって、全競技者のフリースタイルで、CLとASの出現率が 40%ずつ、TSが 20%だとします。この場合だと、CLとASは無難なありふれた技で、TSはそれなりにチャレンジ精神あふれる技だと言えますよね。

パーセンテージに合ってませんが、これでCLとASは 1.8点、TSは 2.4点くらいになるとしたら、この3種の技の選ばれ方はどれくらい変わるでしょうか。

これくらいの差なら、TSを入れるにはミスの可能性に比べてまだ点数が低い?
逆にこれくらい差がつけば、TSを増やそうという気になる?

僕は点数を突き詰める世界に身を置いたことがないので勘どころが今ひとつですが、こういう読みの中で作られたフリースタイルの構成話あたりは聞いてみたいですね。


ちなみに、この基準が「いつ反映されるか」も興味深いところです。

次回大会で反映されるなら、毎回基準が見直される程度なので、少なくとも全員、そのときの点数基準に合わせて考えられるシステムでしょう。

では、全体の競技後に技点が「決定」するとしたら……。どうやってジャッジが短時間で計算するのかは置いておいて、競技者はフリー作成段階で、技の出現率を「読む」のも必要になってきます。

イラスト:女の子「TSをたくさん入れて、TSねらってる人止めちゃおうか?」男の子「それ、こっちの点数も下がるんじゃないのか?」女の子「げっ」、男の子「CNとかこっそり入れたらポイント高くならないか?」「ミスったら全部パーだけどね」男の子「うっ」

作戦会議

参加者が楽しいかどうかはわかりません……。