■ 一定に、大きく、縄に力が伝える
今回は「リリースのこと」。
空回りつながりで、リリースについて。
545 と 546 で、空回りがなぜ起こるのか考えてみました。始めから小さく回したり、縄を引いて軌道を変えたりすると、縄をとらえきれなくなるから空回りするのでは …… という話は、リリースでも同じだと思います。
わかりやすいのは、「ねずみ花火」でしょうか。
地面と水平に、縄を浮かせてくるくる回すリリース。僕はよくそう呼んでます。(「わたがし作り」というらしい)
あれ、小さく回しても、なかなか回ってくれないんですよね……。小さな回転でも、うまくいくとひょうたんのように2つミニ回転ができあがって、これはこれでけっこうウケがいいのですが、基本は大きめな回転を維持するリリースです。
縄を大きくふくらませるように回しはじめて、勢いを強めていくと、安定してくるくる回りだします。
ムリに振り回すと、地面に置いたグリップが引っぱられる力のほうが強くて、グリップがふっとんでいきます。軌道を変えると空回りするパターンと同じでしょう。軌道が外側に飛びだしすぎているからです。
「ねずみ花火」は横向き(水平方向)のリリースです。では、フリースタイルでもよく使われる縦向き(垂直方向)のリリースは――。
最近では「MICリリース」としてルールブックにも載ってるみたいですね。
こちらも、回しはじめや軌道が空回りにつながると思います。
小さく回せば、やっぱり縄がふくらみません。縄全体を回しきれずに、手もとだけで空回りしてしまいます。かといって大きく回しすぎれば、引っぱる力が強すぎて宙にあるグリップがふっとんでいきます。軌道が大きすぎるからですね。
このへんがリリースの感覚を伝えづらいところで、じゃあ、どれくらいが「ちょうどいい」のか……。ひさしぶりに海外の解説動画を見てみたら、この動画のポイントがヒントに近いものだと感じました。
・縄を振りおろすときに勢いをつけない
・一定のスピードで回す
軌道寄りのポイントですね。もうすこし踏みこむと、振りあげるときのスピードに合わせて、一定のスピードを作る感じでしょうか。振りあげが弱くならないように、リリースの回しはじめを小さくしないことも大切かと思います。(そうでないと、376 橋と渦 のような回りきらないリリースになりがち?)
ねずみ花火もMICリリースもそうですが、まるで縄が回らない子もいます。
「空回り、ここに極まれり」みたいなおぼつかない状態。再現しようとすると、腕を固めて動かすとこうなる感じがします。縄に力を届けるための柔軟性を作れていない状態なのでしょう。ひじから先を動かして、力が伝わるように大きく回したほうがいいのは、小さな子の前回し ―― つまりはなわとびの基本に立ち返るような、素直さを感じます。