今回は「縄の長さのこと」。
4重とびを跳ぶときは、結び目を1つ作って挑戦します。
結び目テクニックは単縄を始めたころから目にしていて、初めて見たのはたぶん、生山ヒジキさんのショーを見に行ったとき。後ろ5重に挑戦するときに、毎回結んでみえた気がします。
僕自身は、4重とびに挑戦するようになったこの1~2年で初めて試すようになって、縄が短くなると回しやすいのを実感しました。
4重とび以外でもそう思います。
4重とびで縄を結んだときに、気晴らしで他の技も跳んでみるのですが、どの技もいつもより簡単に回ってくれて、この感覚いいなあと思っていました。特にリリース。普通の長さだと、ときどき縄がゆがむ今の腕前でも、結び目1つでだいぶ変わります。こんなにコンパクトに回っていいの? と思うくらい。
縄が短くなっている以上、縄の移動距離・軌道も短くなるのですから、コンパクトなのは当たり前です。でも、その当たり前の中に、めざしてみたい洗練さがあります。
もうすこし踏みこむと、縄を短くしたときの効果って、数字や数式で明示できるものですが、それとは別に僕が感じるのは、「縄のもたつきが減ること」です。
縄がうまく回らないのは、だいたい、縄がどこかでゆがんだりたわんだりして、とらえられなくなるから。これは、縄が長くなればなるほどリスクとしてゆがむ可能性が増えます。逆に、短ければリスクは減って、ゆがみも消えていって「洗練された縄」に近づくというわけです。
だからこそ、結び目を作った短さで縄を回したとき、わずかに洗練さを感じるのでしょう。
――じゃあ、短い縄にすればいいのでは?
単純に考えると浮かぶこの発想……。一気に半分とか極端な短さでなくても、せめて結び目1つ短くして普通に練習すればいいじゃないかと思うこともあります。
ところが、結び目1つがなかなかやっかいで、足に引っかかりやすくなったり、逆に頭をかすめたり、とにかく上か下で当たりやすくなります。自分なりに、足や頭に当たらないぎりぎりのラインで回していて、新しい短さに合わせられないということですね。
4重とびなら、予備跳躍含めた短い時間だけ気をつければいいですが、普段の練習は違います。あまり短さが気にかかると、技などに集中できません。個人的には、後ろ回しが引っかかりやすかったら、まだその短さでは実力不足だと思って元に戻します。
「短さの練習」をして、そのまま技術の上達につなげるのもいいとは思いますけどね。
それでも、いつのまにか短い縄でも跳べるようになっているものです。
以前、切れては短くしてを繰り返して「もうこの縄じゃ跳べないな」と思った縄を、最近再び使うようになったのですが、今はちょうどいいです。その短さに合わせられるだけの上達があったのかな …… とちょっとだけうれしくなりました。
ちなみに、どんな縄に変えたのか? 次回はそんな話です。