とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

566 上がなければ下はない

■ 振りおろす前に、頭上で回せているか?

今回は「サイドスイングのこと」。

上で回せていなければ、下で勢いをつけるのは難しいんじゃないかという話。

この1、2年で、軌道の上半分とか、後ろから前とか、それまで自分が回せていなかった部分にようやく気づきながら、あれこれと書いてきました。その延長線上で気づいたこともあって、たとえば、縄を引っぱりがちなのは、頭上で力が弱くて、足の下だけ力を入れすぎるので、勢いあまってしまうのだと思っています。

なわとびは、振りおろす勢いに意識が行きやすくて、そうではない部分の意識が弱いとも言えます。この「そうではない部分」というのが、上へ回す部分です。

360度、全回転を全力で、とは言いませんが、軌道が崩れない程度に勢いがなければ、縄はきれいに回りません。


最近は、サイドスイングで同じことを感じています。

サイドスイングに入る前に縄を上に回す流れがあって、これもサイドスイングを振りおろすために大事な部分だとは思いますが、もっと大事に思えたのは、サイドスイングの「あと」です。

(サイドスイングは厳密にどこからどこまでなのかわかりませんが、技の1つと考えるなら、足の下を通る = 地面を打った「あと」の意味で……)

多くの技だと、次の動き・フォームにつなげる部分。SO~、SC~、SEB~、Sトード~など、どれもサイドスイングのあとで、縄を振りおろします。その前に、縄を上に回せているか? 次の技に向けて、縄がきれいに回るだけの形・勢いが作られているか?

イラスト:サイドスイングしながら跳ぶ女の子。「上まできちんと回して」の文字と、頭上で軌道が効果線で強調された図。その流れで「下へ!」と交差に入る様子。

上まできちんとサイドスイング、そしてクロス!

この「上」ができていないと、足の「下」までうまく流れないと思うのです。特に、サイドスイングを振りおろして地面を打つところまでは力が入っていて、いったん力がとぎれてしまう場合。次のフォーム(=足の下)に向けて急に再び力が入るので、縄の軌道が崩れます。サイドスイングのあと、横にそれて足に当たってしまうのはこの状態でしょう。

ちゃんとやってるつもりで、実際は軽々しい様子を「上滑り(うわすべり)」と言いますが、上で回ってなくて滑っているだけ …… という意味で上滑りっぽい状態ですね。


ただ、次のフォームまで、気にかける時間があるでしょうか?

サイドスイングからの技は、たとえばTJなら、Sトードでひとまとめ・ひとつながりの動きとしてとらえられることが多いです。TJ4重とか挑戦していると、Sトードのかたまりで手早くさばかないと、速く回せないのがよくわかります。実際、多回旋をばんばん跳ぶ人のサイドスイングは、速くて目で追えないほどです。

でも、それは上手な人の話。

できる人は、その速さの中で、[サイドスイング → 上 → 下]の順に勢いを維持しながら回せているのです。僕のように、そこまでではない人は、この[ → 上 → ]のあたりが弱い。次の動きで勢いをつければ、勝手に流れがつながって、うまい人のように短くひとつながりのスイングになると思いこんでいるのです。それでときに、横方向の力のほうが強くなって、縄がそれてしまう……。

上に回すことを落とさずに、サイドスイングからの流れをつなげられるといいですね。