とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

569 110%、魅力と魔力

■ 10%で変わるケガと余裕

今回は「節度のこと」。

手かげんして跳ぶようになってきました。

思いきり跳ぶとケガをしそうで怖いからです。特に着地。単縄を始めたころに比べて体が固くなってきた感じで、特に何度も腰痛を起こした腰周辺は、「これ以上はまずいな」と思う瞬間が増えました。


思いきり跳んで縄が通るときって、それなりに快感です。

コロナ禍のころ、いろいろとトレーニング動画を見るようになって、跳べる感覚がすこし良くなりました。ビニールロープで4重とびが跳べたのも、そのころでした。それ以来、練習ではいつも挑戦して、跳べる満足感を味わってます。

でも、着地が激しい。

ダンッ! と地面を鳴らしています。思いきり跳べても、縄を回すのにとにかく必死で、着地まで考える余裕がないのです。余裕がないと言うより、縄が通るぎりぎりまで着地を先延ばしにしているような状態で、そんなことしていれば、衝撃をやわらげる動作もできないまま、足が地面にたたきつけられても不思議ではないでしょう。

正直言うと、4重とびよりも、TJ4重とか後ろSTSOOのほうがもうすこし危険です。激しさよりも、複雑な回し方に意識が行って、体勢が崩れてしまうからですね。

以前、これで体勢を崩して、腰をやられたことがあります。その瞬間をはっきり覚えていて、おしりが後ろに深く沈むのを上半身でこらえようとした瞬間、筋がぶちっといったのがわかりました。

腰はざっくり言うと背骨のように小さな骨が連結していて、筋がそれをつないでいます。急激な着地で下に引っぱられる筋を、上半身で逆に上に引っぱって、上下に引っぱられた筋がちぎれたような一瞬でした。筋がなんとか持ちこたえられる 100%の状態を、超えてしまったのです。


100%というと、「全力」で一見いいイメージです。

力をつくして技に成功すれば、たしかに気持ちいいでしょう。ですが、それは限界を超える瀬戸際でもあります。着地がいい例で、110%になった瞬間、体を保持できる限界を超えて、10%分の亀裂が入るのです。

回すのだってそう。10%さらに速く回せるなら理想的ですが、そのときの全力を超えれば、余波は暴れる縄となって返ってきます。軌道を維持できないからですね。縄が引っぱられすぎて、回しはじめから足に当たるのも一例だと思います。

80%、90%に抑えたとき、何が違うかと言えば、「余裕」でしょう。残った 10~20%で自分の状態を見られるのです。今の僕がまさにこれで、110%はもちろん、100%でも挑まずに、危なくないかどうかを残った力で見るようになりました。


―― じゃあもう、今までより跳べないのでは?

そのとおりで、4重とびなんかも成功回数が減りました。ただ、残った余裕で着地に気をつかいながら、「もうすこし回せる」「もうすこしジャンプで脚を連動させられる」と考えられます。そうやって、回すスピードやジャンプが、安全なまま、85%、95%と現在比でレベルアップしていけるイメージに変わりつつあります。

なんとか、余裕を残しながらもうすこし上達したいのですが……。

イラスト:公園にあるようなステージで練習する人。跳ぶ影にかぶさるように壁には「CAUTION」の文字が並ぶ。

危険を見すえて