■ ジャンプにつられている部分もありそう
今回は「手の高さのこと」。
学校でなわとびを見ていると、2重とびで手の位置が高い子をよく見ます。
連続でできる子でも、回している手が高い。子どもに限りません。公園で子どもの前で跳んで見せている親御さんとか、動画で挑戦する芸能人とか、大人でも手が高くなる人は珍しくありません。
これまで、縄がまだ高いところで力を入れて回しはじめてしまうから、手も高くなるのだと思ってました。ついでに言えば、そのあたりで跳びはじめて、そちらに意識が行くせいで、手が高い位置で止まってしまうイメージ。
こういう理由もあるとは思いますが、ひょっとしたら、跳ぶ動きにつられている部分もあるんじゃないでしょうか?
人はジャンプするときに手を上げやすいと言われます。
人間はジャンプをする時に、無意識に腕を振り上げて勢いをつけます。垂直跳びや幅跳びもそうですよね。でも縄跳びだけはジャンプをするとき、縄を回すために腕を振り下ろす運動なんです。
単縄を始めたころに知った話で、バスケットボールやバレーボールのジャンプを参考にしたときには、手を上げると上半身を引きあげられるとも知りました。ただ、なわとびでそれをやってしまうと、縄を振りおろすことができません。
それで手が上がったままになるのかも、と。最初に書いた流れと似てますが、
・力を入れるために手を上げる → 跳ぶのを意識して手が高い位置で止まる
・ジャンプにつられて手が上がる → 力を入れて手が高い位置で止まる
手が先か、足が先か、といった違いが見えてきます。
僕はこれまで、回すために力を入れているせいで、ジャンプを押さえつけているイメージでとらえていました。これが、跳ぶために手を上げようという「動きの予約」が反射的に行われているからだとしたら、ポイントが変わってきます。
背伸びしながら下に手を回す。
ポイントになるのはこんな練習かなと思います。跳んでしまうと一気に動きが集中するので、その前段階として伸びあがり状態で手を回すわけです。( 544 水面幻想 の女の子のイメージかな……)
「ももをたたく」はよく見ます。そうすればいやでも手は下を向いて上がらずにすみます。タイミングをつかむいい練習でしょう。ただ、個人的には、「たたく=回す」であることをイメージさせないと、実際に2重とびを跳ぶときに動きが結びつかないことが多い印象です。たたく速さを再現できなくて、そのギャップで回せない場合もありますし。(参考: 359 跳び上がりながら手を叩く )
今回は、どちらかというと、2重とびは跳べるけど手が上がってしまう子を想定しながら書いているので、まずは「下に手を回す」かなと……。この感覚で跳んでみたら、今度は手が上がりすぎずに回せた ―― となれば理想的ですね。
これができると、縄が回ってくるまで待つことができます。
タイミングをつかめる段階にある、ということです。この段階で重要だと思うのは、体の前でどうやって縄に勢いをつけるか、どう縄を回すかを考える余裕が生まれていることです。手が高いと、なかなかそこまで意識を持っていけませんからね。
次回はそのへんをからめて、4重とびの話を。
おまけ:
アベシさん企画のなわとび博覧会のチラシにイラストを使っていただけました。ありがとうございます。ご厚意でイラスト展示も予定中です。