今回は「回しかたのこと」。
縄をピンと張る。
僕にとっては、ずっと、わかるようでわかっていない技術です。どうやったら縄が張るような回しかたができるのか? …… の前に、「とりあえずピンと張る瞬間を実感する」にはどうしたらいいのか?
最近、2つの話を組み合わせて試してみました。
1.肩から動かして回してみる
2.指の力を抜いてみる
箇条書きにせず数字を振ったのは、この順番が大切だからです。
まず1つめ。「肩から動かして回す」について。
もとはこの話。どちらかというとジャンプ寄りの話で、回すときに肩に力が入りすぎると、そこでジャンプが抑えられてしまう点を書いています。
これを回す側の視点で見ると、肩をフリーにすれば「大きく回せる」のがメリットです。
ひじを伸ばしてしまうと小さな子のブンブン回しです。ひじは普通に回すときの曲げかたにして、肩から回すと大きく回ります。特に、上に向けて回すことで、縄が上までちゃんと回ります。ここが大切で、頭の上で軌道が低空飛行ぎみになってしまうと、上手な人でないかぎり勢いは落ちます。小さい軌道だけでコントロールしないといけないからですね。
縄をピンと張るには、縄が広がっていないと難しいです。そのために大きく回す。大きく回すために肩から回す ―― というわけです。
続いて、「指の力を抜く」です。
これは先月書いた話。特に親指を握りすぎると、手首やグリップの動きを妨(さまた)げるんじゃないかという推測。
指の力を抜いたらグリップがすっぽ抜けてしまいますが、そこまでいかない程度に軽く支えていると、縄が勝手に遠くへ回ってくれます。ここで、1の「肩から動かして回す」と組み合わせてみましょう。縄が大きく回っているので、すっぽ抜けない程度に力を抜くと、縄が大きく、遠くへ、回っていきます。
これが縄がピンと張る状態に近いんじゃないかな、と。
縄は360度回ってますが、イラストのように、試すのは顔の斜め上あたりになると思います。つまり、上へ回す部分が大事。肩から回すときも、608 でも、上へ回す点にふれています。流れ的に「肩 → 指の力」の順で説明したのは、こういう理由からでした。
縄を片手にまとめて振ると勢いがつく話はよく見ます。
2重とび練習などで出てくる話ですね。実際、空を切るように縄は回ります。ただ、昔からあのメカニズムがどうも理解できず、跳ぶとなると再現できないことが続いてました。
あれも、振りあげつつ力を抜いてみると、2つにたばねた縄の重さで一瞬遠くへ持っていかれそうな感覚があります。なるほど、こういう瞬間なんだな …… と思いました。
最後に、足に注意しましょう。
ここまではほぼ肩から手までの話です。足を意識するのを忘れると、どれだけ回せてもジャンプが足りなくなります。足先に向けて重力がピンと張らないように気をつけましょうね。