今回は「ジャンプのこと」。
寒さと暑さの中間の季節。
ランニングするのにほどよい時季です。夜だとまだ肌寒い日もあって、これくらいが体のあったまるバランスと合ってます。
最近、ランニングとなわとびって押しだす力が似てると思いました。
「反発からの推進力」とでも言うのか……。前後と上下の違いこそあれ、力の移動が感じられて、不思議なリンクがあります。
走るときの動きは、この動画などで知りました。
ランニングでも体を前に進ませる点では同じはず ―― と思って、動画以来ずっとこの点を意識して走ってます。舟をオールで漕(こ)いで進ませるのと原理は似てますね。
子どもが走っていると、「もっと腕を振って!」とか「脚を前に!」とか声かけされる場面が浮かびます。でも、接地している足がふんばるだけだと、前へ向かう力をうまく伝えられないっぽい。後ろに押し返す感じでしょうか。
「前」という目的のために、実は「後ろ」という逆方向の力が重要になるって、なかなか意外な話でした(強くけるわけではありませんが)。一度実感すると、体が押しだされる推進力に納得できます。納得というか、「進んだ!」という達成感が1歩ごとに重なるのが心地いい。
それでは、なわとびの「上下」だとどうなるか?
実は、こちらはランニングの「前後」より難しいと思います。たしかに、いったん下に沈みこんで、地面やひざの反動をもとに上へジャンプするメカニズムは似てます。ただ、上下の動きには「重力」という壁があります。
ランニングの前への移動にも重力は存在するものの、無制限に水平移動できるわけではありません。一方、ジャンプは垂直方向。最初から重力に立ち向かいます。
ここでポイントになるのが、上半身の引きあげ。重力 = 上半身だからと言いかえてもいいでしょう。脚が沈む力を利用して上がろうとするとき、体には腰から上という体重の半分以上を占(し)める「2階」があるのです。これごと上空に持っていかないと、体は上がらない。
最近こんな話を書きましたが、なわとびは縄を回す動作もあるので、肩で体の上昇を止めない、というのは個人的に大切だと思ってます。(長いこと自分がそうだったので)
反動というと、縄についても言えますね。
これ、どこまで使える理屈かわかりませんが、いったん頭上でピンと張ってから振りおろす流れは、上に向いた力を下に回す力に転用していると言えるかな、と……。
縄の場合だと、縄の先をとらえて、いかにそこに重みを見いだすかが基本にしてベストみたいな印象を持っています。そのとき、手もとを観察すると、回したい方向の逆へわずかにグリップを動かしているような。そんなところも、似て見えますね。
脚にしても手や腕にしても、動かすのは体や縄という「その先」です。このメカニズムに共通性を感じられたとき、1歩跳びぬける瞬間もあるんじゃないでしょうか。